雨粒を落とし沼上空を流れる黒い雲

撮影ノート『手賀沼有情』 (2021.3.2)
(アルツハイマーになった妻)

雨粒を落とし沼上空を流れる黒い雲。210302.jpg

足早に迫ってきた雲、もみ合うように形を変える雲の隙間。210302a.jpg

つぼみをつけた桐の木にから飛んできて、コブシのつぼみの間に止まったツグミ二羽。210302b.jpg


『春を愛する人は・・・』 (2021.3.2)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「何かご用? 何だか知らんが眠くて、ベッドに入っていいですかと係の人に訊いたらどうぞどうぞって言われた。布団に入ったら電話で起こされた。何で眠いのだろうか」「毎日電話してるけど、いつも眠いと言ってる。眠っていて起こされると寝ぼけちゃう」「まだ眠らせてもらってない。何で眠い?」「春だからかな」「だったらみんなも眠いでしょ。何で私だけ眠いの?」「お昼食べたら眠る癖がついてるんだ。いつも私が電話した時、眠っていて起こされるか、眠る前で眠いって言ってる」「お昼食べた後は眠っちゃダメだね。お昼食べた後は手賀沼を渡って戻ってくる」「外出は出来ない。それ、空想か夢でしょ?」「夢では当たり前になってる」「私たちの家では二階のトイレに行った。一階に降りたって意識はなかった。ここでも二階にいる」「この建物は平屋で二階はない」「二階だと思えば二階だよ。今どこにいる?」「家」「直ぐ近くじゃん。山一つ離れていない。もう仕事がないから家にいるの?」「そう」「お父さんの所に行きたくて眠くなるのかな? 一度お父さんがいないときに誰かと行った。あれ、目が覚めてきたら何を言っているのか訳が分からない」と言って急ぎ歩く音。「ドアの外を見てきた。誰もいないよ。私、昼間は危険信号だね」「何で?」「眠くなるから。ごめんね。でったら目でこんな私だが捨てないでね。お父さんが私を捨てたら私がお父さんを捨てに行くぞ。重たそうだねぇ。あぁあ、吃驚仰天だよ」「何が?」「お父さんに起こされたから目が覚めた。また寝ると直ぐ眠りそうだ。部屋に富士山の絵がある。岩滑の裏山から見た静岡県側の富士山だ。言葉が出ないから来た時見て。お父さんどこの出身?」「浜岡」「私と直ぐ近くじゃん。高校は?」「掛川西」「私と同じだ」「私が3年の時あんたは1年だった。時間だ。CD鳴らして」「・・・鳴った」「電話機返してから歌って」「~春を愛する人は・・・」と歌いながら事務所に向かう足音。210302c.jpg
(広場に来て餌を啄もうとすればジョギングの人が来て木に待避。戻ろうとすれば犬の散歩の人。次々邪魔されてなかなか戻れない不運なスズメたち。)