曇天の隙間から漏れてくる朝の光

撮影ノート『手賀沼有情』 (2021.2.27)
(アルツハイマーになった妻)

曇天の隙間から漏れてくる朝の光。210227.jpg

厚い雲から薄い雲の向こうに昇った太陽、オレンジ色に染まった雲を映して輝く沼。210227a.jpg

桐の木の蕾を見上げていたらコゲラが一羽。210227b.jpg


『何で帰れない?』 (2021.2.27)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「今日帰るのか明日帰るのか分からない。お父さんか事務所の人に聞こうと思っていた」「帰りたくなった?」「そういうことじゃなくて、いつまでここにいるかってこと」「帰る予定はない」「何で帰れない? 坂を登った所にお父さんはいるのでしょ」「そう」「お父さんはそこにいつまでいるの?」「これからもずっといる」「今日か明日、ここを出て家に帰るつもりだった」「あんたはずっとそこにいていい。あんたがいまいる所はグループホーム寿と言う介護施設」「お父さんはどこに住んでいる? 坂を登った所にある二人の家?」「そう」「二人で作ったが今はお父さんの家?」「私とあんたの家」「何で私は一緒にいない?」「一昨年あんたは病気がちになって、それまであんたがやっていたこととあんたの介護とが重なって私には出来なくなった」「歳だものね」「このままでは二人共倒れになるからあんたと相談した。あんたは施設に入りたいと言って、二人でグループホーム寿を見学して申し込んだ。去年1月に入居できた」「入ったのは何となく憶えている。誰が連れて来た?」「私とAとLが一緒に来た。去年正月に入居の準備にAとLがが来てくれた。嬉しくてあんたは食べ過ぎ、子どもたちが帰った後に膵炎を再発してJAとりで総合医療センターに入院した」「川を渡った先だね」「そう、退院3日後にグループホーム寿に入居したが、入院中に色々忘れて、自分のいるところもよく分からなかった」「何となく記憶があるがそれが繋がらない」「入居し、食事や入浴、体操など専門の人が計画的に介護してくれ、訪問診療のお医者さんの診察も受け、あんたはすっかり元気になった」「私は良いところにいるんだ。だけど会えない」「最初は毎日面会に来ていたが、コロナが流行って面会も外出も出来なくなった。その後は毎日電話してる」「憶えていない。話を聞いてびっくりして、嬉しくなった」「時間だ。CD鳴らして」「・・・鳴った。電話機を返してくる」210227c.jpg
(手入れの行き届いた庭に咲いていた紅白の梅の花。)