風が沼を渡れば広がるブルーの水面

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.10.31)
(アルツハイマーになった妻)

風が沼を渡れば広がるブルーの水面、風が止めばオレンジの水面が押し戻す。201031.jpg

飛んできたのはホシハジロの群か。転んで壊して以来買っていない双眼鏡、片目しか使えぬのに両目分の値段かとつい買いそびれる。201031a.jpg

岡発戸の丘から眩しい日の出。あと何日かで丘を下る日の出の場所。201031b.jpg

『近くでも会えないね』 (2020.10.31)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「近くでも会えないね。歩いて10分くらい?」「356を通っても10分はきつい。1.2Kmあるから。家から出てタビヤの前ではまだ半分以下、胃腸科病院辺りが真ん中」「最近、建物の名前を聞いても頭に浮かばなくなった。自分一人で出歩いたら迷いそう。今まで行ったところは頭に入っているはずだが、自分だけだと心配だ。行けなくなったら淋しい。そっちに行きたいが、ここから見て駐車場の横から広い道に出る。右に曲がって市役所の入り口を過ぎて交差点を東に行く。神社の手前からいい道になった坂を上ったら家。」「正しいよ」「ああよかった。このくらいなら行ってもいい?」「今はダメだよ。コロナの伝染病が流行っていて、あんたは外出できないから。コロナが収まったら一緒に歩こうね」「いつ終わるの?」「伝染病だから分からない」「それまで待てるかな。私は早くそっちに行って、頭の中の地図と比べて確認したい。いま道をどんどん忘れている。家に行く道、家から中学の前を通って、郵便局の方へ曲がり天王台駅に行く。駅には入らないで依田内科へ行く。もっと行って橋を渡って利根川に出る。頭の中がごちゃごちゃしてきた。頭の中の地図が正しいか確認したい。それが楽しみなの」「ずいぶん道をよく憶えているね」「こっちに来てずいぶん走ったもの。この辺り、天王台や東我孫子は、我孫子に来てからたくさん友だちができた。Aさんの家から坂を上った家、二人で建てた家はまだあるの?」「あるよ。今も私が住んでいる」「ああよかった。元気な内に確かめに行きたい」「コロナが収まったら見に行こう。それまで元気でいようね」「静岡から見ると遠くの我孫子に住んだ。元気だよね、私」「元気になったよ。グループホーム寿に来てから訪問診療の先生も来てくれ去年に比べて元気になった。時間だからラジオを鳴らして、電話機を返してきて」「電源が入らない。コンセントが抜けていた。・・・鳴ったから返してくる。嬉しいな、嬉しいな。・・・電話終わりました」201031c.jpg
(隣のアンテナに遊びに行ったわが家の軒下に住むスズメ。)