オレンジ色に染まり始めた地平線

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.10.21)
(アルツハイマー)

いつもより早くから眺めた手賀沼、晴れた空は未だ暗くオレンジ色に染まり始めた地平線。201021.jpg

埋立地の杭から次ぎ次ぎ飛び立って、オレンジ色の空を飛ぶサギのシルエット。201021a.jpg

金色に輝く雲の縁、雲から出てきた眩しい太陽。201021b.jpg

『ろれつが回らない』 (2020.10.21)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「ろれつが回らない。寝ていたからかな。まだ目を瞑ってる」「ベッドに寝転がっているの?」「そう」「起きないと目が覚めないよ」「嫌だけど、起きたよ。だんだん目が覚めてきた。窓の外は久しぶりにいい感じの日差し。今日は何曜日?」「火曜日」「火木土はどこへ行く日?」「火木土はロイヤルに通っていた日」「ロイヤルって?」「ここへ来る前通っていた施設。お風呂に入ったり、体操したりしたところ」「思い出せない」「利根川に沿って下流へ走って右側」「全然思い出せない」「もう行かないから思い出せなくてもいい。今日は目が覚めないね」「眠い眠い。お父さんの電話が終わったらまた眠っちゃう。昼間眠ると夜眠れなくて辛くなるね。もうじき覚めると思う」「また寝転がった?」「ベッドの上にあぐらを掻いて座ってる」「ベッドから下りて」「座っているので下りたくない」「ラジオの電源入れてCDを鳴らせられる?」「出来るよ」「下りないとラジオを点けられないね」「一歩歩いた。ラジオの電源入れた。次のボタン、これでいい。横に座った。鳴ったよ。~春を愛する人は・・・~」「目が覚めた?」「覚めそう。覚めつつある」「目が覚めたらちょっとお話しして、電話機を返しに行こう」「だんだん姿勢がよくなった。歌うと自然によくなる。何かするときも鳴らして、聞きながらやるよ。~かあさんは夜なべをして手ぶくろ編んでくれた・・・~」「もしもし、もしもし、オーイ」と言っても歌い続け、曲が終わると「この歌を歌ってると横須賀の母の実家から海の方へ歩いてる。~あした浜辺をさまよえば・・・貝の色も~ この歌を歌ってると大坂から千浜を通っている。~・・・月の色も星のかげも~ 今は岩滑へ歩いてる」「もしもし、オーイ」と呼んでも、電話機はどこかに置いたまま、CDに合わせて空想の世界で故郷を歩いている。仕方なく電話を切って職員さんに電話、「歌を歌って空想の中、電話中なのを忘れた」と伝え、職員さんが妻の部屋へ向かった。201021c.jpg
(久々に秋晴れの朝、眩しい太陽に沼も岡発戸の岸辺も暗転。)