薄雲の向こうに登った日の出

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.27)
(アルツハイマー)

薄雲の向こうに登った日の出、花房の根元から開き始めた藤棚の花。200427.jpg

テリトリーへの侵入者を見付けたのか、水面を叩く羽音を残し飛び立ったコブハクチョウ。200427a.jpg

撮ってくれと言わんばかりに立ち止まったツグミ。200427b.jpg


『知ってる道でも迷子になるのが怖い』 (2020.4.27)
元気な声だった昨日午後の妻との電話、「もしもし」「はいはい」「昼休みが終わったところ。天気はいいけどちょっと疲れた。食事が出た。サッサと食べて急いで部屋に戻ってしまった人が多かった。自分の分を後片付けしたら、まだどうしたらいいか分からなくて残っている人がいた。初めての人は食べ終わっても自分で片付けることに慣れていないから手伝ってきた。部屋へ戻ってベッドに横になろうと思っていたら、ご主人から電話ですって持って来てくれた」「今は部屋にいるんだね」「そう。カーテンを開けて外を見ると、西日に照らされて明るいけど、この部屋は東向きだから暗い。垣根の上の方が赤くてきれい。西日の当たってる先へ行ったら市役所の方へ行く道に出ると思う。手賀沼まで行けば斜めに坂を上がったら家だと分かってる。あなたはどこにいるの?」「家にいるよ」「職場が近いからそっちに行っているかと思った」「会社はずっと昔に退職して仕事はしていない」「ああ、そうか。私はどこにいるの?」「グループホーム寿」「市役所の方から慈恵医大の方へ行く道?」「あはは、迷子になったな。コナカの後ろ、消防署のところの十字路の近く。二人で見に来て申し込んだところだよ」「申し込んだのは憶えているけど同じところかは分からない」「同じだよ」「そうか、356に出て東へ歩いてお寺の近くで曲がって手賀沼の方に行く。店が二つあった」「ガストとセブンイレブン」「そこから入ると家があって、通り過ぎると神社への道」「そう」「知ってる道でも迷子になるのが怖い。一緒に歩いて教えてね」「面会と外出が解禁になったら一緒に散歩しよう」「いつ?」「伝染病に訊かないと分からないな」「早く家に行きたいよ」「気長に待って」「泣いても解決しないからもう泣かない。ぼやーっとしていて、あなたと電話するときに好き放題言うしかない」「参ったな」「いいじゃん」「ぼつぼつ電話返してきて」「うん、行ってくる。事務所に誰もいないよ」「食堂に職員さんがいるだろう」「いたいた。今村です。終わりました」200427c.jpg
(岸辺から並んで泳ぎ出したカイツブリのペア)