雲が映って沼半分は暗い水面

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.2.5)
(アルツハイマー)

対岸の地平線上に黒い雲、雲が映って沼半分は暗い水面。200205.jpg

薄雲の中に登った日の出、沼に映って繋がれた小舟はシルエット。200205a.jpg

昨日ムクドリに追い払われた我が家の軒先に住むスズメ、引っ込み線に集まって、畑に舞い降りて草の実を啄む。200205b.jpg


『今日の散歩、これっぽっちか』 (2020.2.5)
昨日午後の妻への面会。ドアを開ければ床に思い出の写真を並べていたが、私を見付け「来てくれたの、今日は来ないかと思ってた」と笑顔で迎えてくれた。「散歩に行くかい」と声を掛けたら係の人に許可を貰いに行った妻、「今日は3時前から訪問診療があるから2時半までに戻って」と係の人。コナカの周りを一回り、時間つぶしにホームの裏の駐車場へ。下の住宅地を見下ろし「あの家の赤い屋根、ベランダからも見えたよ」と言ってしばらく眺めた妻、「ここはどこ?我孫子?」「我孫子だよ。寿二丁目、あんたが泊まってるグループホーム寿だよ」「えっ! 私ここに住んでるの?私の地図にないところだから分からない」と。玄関に戻ったら「ここなら分かる」と元気よく部屋に戻った。
Google Mapの上空からの写真を持ち出して「今日の散歩、これっぽっちか」といいながら今日の散歩道のおさらい。数日前の散歩道に引いた色鉛筆の線を辿りながら独り言のように呟き始めた。「忘れるってことは平等に全部忘をれるんじゃない。思い出して話そうとするとその先が見えなくなって忘れてる。死んだら全部記憶はなくなるが、生きてる間は一番長く一緒に生きてきたあなたと歩きながら、あのとき食べたスイカはうまかったくらいのことでもいいから話したい。死ぬのは生きているものの運命だから仕方ないけど、生きている間は手を取り合って、一緒に行ったところ、一緒にやったことを話したい。最後にそれができなくなって死ぬのだが、それまでは手をつないで歩いて話をしたい。こんな人と話すのはもう嫌だと言われたら終わりだね。80歳過ぎまで生きられたら上出来だよ。死んでもこの世のことを憶えていたらあの世での仲間に嫌われるよ。でも死ぬまではちょっとだけでも憶えていたい」と言ってしばらく沈黙。
「もう帰るよ」と言ったら玄関まで見送りに来た妻。後ろから「今村さんがいない」と声、「ハイ」と言って振り返ったらカルテの箱を持った看護師さんとドアを開けていた看護師さん。「男の人!」と看護師さんが言ったら、私の後ろから妻が「私です」と言って前に出た。部屋に入ってY先生が「お変わりありませんか? めまいはまだありますか?」と問診。先生に「めまいの薬も飲んで下さいね」と言われ「父さんも飲んでね」と妻、「ハイ、ハイ、お父さんもね」と先生が言ってみんなが笑う。訪問診療のスタッフと一緒に玄関を出て帰宅。200205c.jpg