対岸の丘も消えた霧の朝

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.6.2)
(アルツハイマー)

対岸の丘も消えた霧の朝、うっすら見えた日の出もまた霧か雲の中へ。200602.jpg

水生植物園跡に昔を偲ばせる菖蒲が咲いた。200602a.jpg

飛来して田んぼに佇むアオサギが二羽。200602b.jpg


『鏡台は送り返さないの』 (2020.6.2)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「「はいはい」「部屋の中の飾りを直している。あなたの手賀沼写真コンテストの写真のパンフレット、CDの聞き方の絵、小さな額が重ならないようにしていた。その前のテーブルにCDラジオがある」「お昼は食べたよね」「食べた。夕食も食べた」「夕食はまだ」「だって暗いもの」「天気が悪いから。まだ1時ちょっと過ぎだよ。あんたと私が二人並んだ写真が出てきたら壁に貼っておいて」「二人で撮った写真はないよ」「鏡台の引き出しにもなかった?」「私じゃ見つからないから、あなたが来て探して」「来てと言われても行けないよ」「そうだね、伝染病でダメだった。原本はあなたが持ってるでしょ、もう一度作って」「プリントして送るよ。送っても何処かに仕舞い込まず壁に貼ってね」「大事だから仕舞うと出てこなくなる。私は困った人だね。鏡台は送り返さないの?」「どうして?」「だって家に帰るでしょ」「今はそこがあんたの家」「帰ったらダメ?」「ダメ」「どうして?」「私たち二人は年を取って出来ないことだらけ。私はあんたを病院に連れて行くのも難しくなったし、あんたも施設を探してと言って、ケアマネージャのMさんが探してくれてたグループホーム寿を見学して申し込んだ。空きが出来て今年から入居出来た。そこは食事、洗濯などの生活支援、健康管理や訪問診療の先生が来てくれて病院に通わなくてもいい。家に帰ったら私が介護しなくてはならないが、出来なくなってごめんね」「年だから仕方がない。ごめんはこっちだよ。あなたが私を守るためにしてくれたのに、ここを出ると言ってはダメだね。直ぐそれを忘れちゃう。自分が自分に困って泣けてくる」「泣かないで。歌を掛けよう」「歌いたくない」「歌えば気分が楽になる」「ランプを点けた。CDを押したが音が出ない」「三角の矢印を押す」「押した。・・・音が出た。電話機返してくる」「戻ったら歌ってね。頭のトレーニングだよ」「・・・終わりました」「はい、電話機受け取りました」と職員さん。200602c.jpg
(青空の下で羽繕いに余念がないホオジロ。)

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