水道橋の灯りも橋の欄干も霧に消えてゆく

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.9.2)
(アルツハイマー)

先が見えない沈んだ気分で手賀川に向かえば霧が出始める。撮っている内にも水道橋の灯りも橋の欄干も霧に消えてゆく。190902.jpg

霧の中で待っていたラッキー親子とオオバンの親子。お兄さんが餌を持って階段を下りてくればいつものように岸に並んで出迎え。190902a.jpg

岸に上がったバン。ラッキー親子に餌を与え終わってお兄さんが立ち上がれば、水に飛び込みゆっくり泳いで霧の中に消えたバン。190902b.jpg

『状況が理解できないアルツハイマーの妻』
昨日の午後一番、入院先の病院へ面会に行くと前日差しれた新聞の文字を追っていた妻。読んでも直ぐ忘れるが文字を追って文字を忘れていないことを確認しているように見える。一昨夜のせん妄状態からは回復していた。私の顔を見ると、「ここの人はきつくて意地悪なの。よく分からない説明をして私に罰を与えるの」と、点滴の管のジョイント部分に付けたタグを指さす。『引っ張ったり、外さないで下さい』と書いてある。一昨夜せん妄の状態の時、自分で点滴を外したからタグを付けたのだろう。
私に次々質問をぶつける、「いつあなたと交替して私が帰れるの」「あなたは何処のベットに寝るの」「あなた、ここに寝なさいよ、私帰るから」「ここで私は誰の面倒を見たらいいの」と、設定条件を変えながらも帰る時季を聞き出そうと質問する。
どうやら、なぜ自分はここにいなければならないかが理解できていない。説明しても、救急車で運び込まれたこと、耐えがたいほどの痛みがあったこと、検査をして入院したこと、医師から絶食と点滴をすることを説明されたこと、どれ一つも憶えていず、自分では何処も悪いと思っていないから、自分のために入院しているとは思っていない。さて、何処に状況を理解させるような糸口があるかと思いを巡らしているが、私には見付けられない。
話している内に、自分はデイサービスの施設にいると思い込んでリハビリの体操に行こうとする。今いる場所が入院先の病院だと言うことを直ぐ忘れてしまう。たった一日の間に、急速に認知機能が低下したことを思い知らされる。190902c.jpg

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