ひとまず終了

撮影ノート『手賀沼有情』 (2021.3.22)
(アルツハイマーになった妻)

『ひとまず終了』 (2021.3.22)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「びっくりして腰を抜かした。AとLから誕生祝の手紙が来た」「去年のものだね。花をもらった時のものだ」「今日は何月何日?」「3月21日」「去年11月に誕生日の花をくれた。花に手紙が付いていた。お父さんが来て、話をしてくれたの?」「私はその頃、グループホーム寿には行っていない。コロナが流行っていて面会禁止だったから」「私は今、返事を書いていた。その必要がないなら気が楽になった。見当違いのお祝いありがとうと、書こうとしていた。毎日、鏡台とテーブルしか使っていないが、この手紙が出てきた。何が何だか分からなくなっていた」「花を貰った時に付いていたものだが、昨日あんたが箱の中を調べたから出てきたのでしょう。何日か前に箱を探していたら、私とあんたのツーショットが3枚出てきた。その翌日には、また見つからなくなった」「知らない」「私は、毎日電話しているよ」「憶えてない。写真を見ると姉妹の名前が直ぐに出てきて言える。父の周りに姉妹7人が居る。顔を見て名前の分からない人が一人いる」「それは、あんたのすぐ下の妹のHさんだ」「私80歳。お父さんが高校3年のとき、私が1年だったから、お父さんは82」「私は片方しか見えないから、あんたの顔を忘れちゃう。だから、あんたも私もお互いに写真を見て電話するといいね」「これから、写真を見て誰だか分からなくなったりしても、声を聞くと誰だか分かる。昔のことが頭の中からなくなっていくのは辛い」「見える間に会いたい」「見える内でもあの世に行く人がいる。見えなくなった人でも生きている人がいる。人はいろいろ。年取っても同じであることはない。何かの会であっても同じことが違うことになる。父の顔を忘れても、頭の中に残っている可能性はある」「年だもんね」「今から言っておく。長い間お世話になりましたと言いたい」「私の心に刻んだよ。私も沢山面倒をみて貰った。有難うね」「50年以上一緒に生きてきた。怒られたって恐くない。そういう間柄になっている。長いことありがとう。最後にお別れするときにね、私に言えることは、昔のお父さんじゃないかも知れないが、いろいろ頭の中に残っている。長い間ありがとうね。人生にはこうしてどの夫婦も別れていった。死に別れした人は死ねるまで一緒に生きたと言える。長い間、有難う。言える間に言っておく」「私も言っておく。公子と一緒に生きて沢山面倒見てくれて有難う。二人で生きた」「お互いに、有難う・有難うで終われば、あの世に行ってきちんと報告できる。でも、まだお別れじゃないよ」「時間になったからCD鳴らして」・・・。「鳴ったから電話返してくる」

(残念ながら、急激な視力低下によってパソコンに向かっての作業が不可能になりました。これを以ってブログは終了いたします。まだまだこれからも介護のことが続くでしょう。)

小雨に霞むネコの木

撮影ノート『手賀沼有情』 (2021.3.21)
(アルツハイマーになった妻)

k小雨に霞むネコの木。
(私の目には暗い沼、撮れたのはこの一枚だけ。昨日は文章を書けたが、今日はポインターが見えなく書けるるかどうか。)



『そうか目だったね』 (2021.3.21)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」[窓の外を見ていた。駐車場の上に雲が見えて、雲がもっと高くなったらいいなと思って一句作ろうとしていた。まだ途中、さっきより雲が少し薄くなってきた。そういう詩歌を作ろうと窓の外を見ている。垣根のアカメがきれい。窓が額縁のようになって、風に煽られて赤い新芽が揺れている。直ぐ前を見るよりも、窓辺に置いてある鏡台の鏡に映って横から見た方が揺れるのがきれい。、お父さんがずっと私の遊びと付き合って、関心を持っていてくれなくてもいいよ。出来上がったらちゃんと伝えるから。何回かこうやって作って投稿したら選ばれて本に載ったことがある。これが夢だったらみんなに笑われちゃうね。今日は曇り空でも赤い葉がキラキラ輝いているように見える。窓の直ぐ外は建物の陰でそんなに風が吹いていないが、横の方を覗くと建物の向こうまで続く垣根は風に揺られている。今日は何のご用時?」「毎日電話してご機嫌伺いだよ」「私はうっかり忘れてた。お父さん元気?」「元気」「私は幾つ?」「80」「じゃぁお父さんは82、二人で建てた家にいるの?」「そう。段々歳を取るし、家も古くなるからいずれ処分しなければならない」「私はお父さんの言う通りでいい。思うようにして。施設に入って一緒に住めるといいね」「それは理想だが別々になることが多いね」「お父さんと一緒にいたいが、一緒に住まなくてもどこにいるかはっきり教えてもらって、時々会いに行けたらいい。どうしているかの情報が分かればいい。一緒の屋根の下でなくても、心が繋がっていれば一緒ってことだよ。人間らしく生きようね」「今日は公子に諭されたね」「理想を口で言っても、それじゃぁ生きられないよ」「私の目が急に悪くなって、早く家を処分することになったらごめんね」「そうか目だったね。辛いが頑張って。私はあなたに一杯ごめんがあるが、両方で言ったってしょうがない」「そうだね。時間だ。CD鳴らして」「・・・鳴ったから電話返してくる]210321ss.jpg