風が止み地平線の空を映しオレンジ色の沼

撮影ノート『手賀沼有情』 (2021.2.18)
(アルツハイマーになった妻)

風が止み地平線の空を映しオレンジ色の沼。210218.jpg

風が吹き、風の通り道は波立ってブルーの水面。風向きが変われば形が変わるブルーの模様。210218a.jpg

僅か地平線に雲があるだけ、快晴の朝の日の出。210218b.jpg

『昨日私は何をした?』 (2021.2.18)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「お父さんの声だ。お昼を食べた後に死んだように眠った。午前中は疲れた」「午前中何をした?」「忘れた。昨日私は何をした?」「鏡台の前で岩滑へ出発する仕度をしていた」「あはは。いい加減なことを言ったね。昨日は富士山の麓に行った」「外出禁止だから行っていない」「頭の中ならどこへでも行ける。私は惚けて訳が分からない。岩滑に行って東の階段から山にある岩滑のお墓に行った。縁側の方へ回って降りようとしたらお父さんが私を呼んだ。坂を下ると手賀沼だった」「えっ!」「私の言うことはでたらめになってるから放っておいて。自分の想像ででたらめ言ってる」「私は手賀沼の周りを歩いて、今は市役所の所まで来た」「岩滑の墓から山を下ったら手賀沼?」「頭の中だから直ぐ行ける。私は自分で何歳だか分からない。私は生きてるの? お父さんと話しているのは生きてる証拠だね。私は何歳?」「80歳」「夢の中で私は死んで埋められた。私のお墓はどこ?」「一関の樹木葬墓地。まだ私もあんたも死んでないから誰も埋めてない。埋めたら上に花の咲く木を植える」「手賀沼という沼は実際にあるの?」「あるよ。あんたは元気な頃手賀沼の周りを散歩した」「お父さんは生きてるの?」「生きてる。こうやって話してるから生きてるよ」「手賀沼でボートに乗って途中で戻った夢を見た。こうして話して、笑っているから生きてるよね」「生きてる」「話していても生きてるか死んでるか分からない。自由にあちこち歩いてる」「外出は出来ないから外に出た記憶は夢か空想だね」「こういう夢の話をするとゲラゲラ笑って楽しいね」「あんたの話に私の頭はくるくる目眩がしそう」「嬉しいよ。お父さんはまだ死んでいない。今お父さんの顔が出てきた」「思い出した?」「シャツ着てネズミ色のズボンはいてる」「時間だ。CD鳴らして」「ラジオは朝と夜に挨拶するため点けているよ。・・・鳴った」「電話機返してから歌ってね」「・・・電話終わりました」210218c.jpg
(桃山公園の広場に飛来したスズメ、昨日より増えたスズメの数。)