地平線高くまで湧き上がった黒い雲

撮影ノート『手賀沼有情』 (2021.2.8)
(アルツハイマーになった妻)

地平線高くまで湧き上がった黒い雲、上空の雲間に細くなった月。愛犬の足元を照らしながら通り過ぎた散歩の人。210208.jpg

前方を足早に流れる雲、風が沼を渡って波立って、上空の白い雲を映して水面に白い模様。210208a.jpg

ラジオ体操が終わってゴミ拾いをしてくれた広場に、袋を咥えて来て残り物を漁るハシブトガラス。お行儀がいいのかそれぞれが咥えて来た袋を並べて置いて。210208b.jpg


『泣いて待ってたよ』 (2021.2.8)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「どなた? お父さん?」「そうです」「どれだけ待ったか分からない」「電話したらあんたはトイレ中、5分待って掛けたところだよ」「お父さん待ってた、泣いて待ってたよ」「そんなに長く待ったんじゃないから泣かないで」「誰と帰ってきた? 日本にいるの?」「どこから帰るの?」「中国から帰って来る」「ずっと家にいたよ。最後に中国から帰ってきたのは27年も前だよ」「27年も前に帰ってきて私たちには連絡がない。だったら何でもっと早く電話してくれなかったの?」「帰ってきたのは1993年12月末。あんたは車で成田空港まで迎えに来てくれたよ」「知らない」「中国で殺されるかと思って心配してた」「もっと前の天安門事件だね。直前に北京から天津に入ったら天安門事件が起きた。北京と天津の間に軍が展開して動けなかった。一週間以上経ってから広州に出て、ホバークラフトで香港へ逃げた。連絡が取れなくて心配させたが無事帰国した。その時の記憶だね」「ずっと待ってたのにどうしてたの?」「中国の仕事が終わった次の年から一関に単身赴任して、あんたは何度も来てくれた。会社を退職して我孫子に戻って20年以上になる。その後はずっとあんたと一緒に住んでいた」「ウソ」「ウソじゃない」「信じられない」「一関から戻る時は、引っ越しの手伝いに来てくれ、あんたと一緒に我孫子に戻った」「知らない」「その次の年は心臓の弁を人工弁に換える手術を受け順天堂に入院、あんたは毎日来てくれたね」「それは知っている。私のお母さんは?」「20年前に死んだ」「父が死んだ時手伝いに行ったからそんなに前じゃない」「お父さんの葬儀の時、あんたのお母さんはどなたの葬儀かと訊いて、あんたのご主人と言われ、私は結婚してたのかと言った。もう30年も前だ」「私も似たようなことをやってる」と言った時、職員さんから訪問診療の先生が来た、その間に掃除をすると言われ、「また明日電話するね」とだけ言って電話を終わった。210208c.jpg
(いつも二羽でアンテナにとまるムクドリ、相棒を待っているのか今朝は一羽だけ。)