斜面林の向こうは雲一つない快晴の夜明け

撮影ノート『手賀沼有情』 (2021.2.4)
(アルツハイマーになった妻)

斜面林の向こうは雲一つない快晴の夜明け。210204.jpg

食べ易い場所を食べ尽くしたヒヨドリ。細い枝に止まってセンダンの実を啄むが、ツグミのように逆立ちしてまで食べようとはしない。210204a.jpg

ヒヨドリが食べ残した実を逆立ちして啄むツグミ。210204b.jpg


『私は泣いている』 (2021.2.4)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「元気そうな声で嬉しい。私は泣いている。何が何だかわからない。病気なのか何なのか、誰かが何か私に言っていると分かっても、何を言われているか分からない。部屋の中には私だけ。窓際に鏡台がある。私が結婚したときに母がくれた」「家でずっと使っていた。ここに来たとき、家からAとLが運んできた」「子どもは小さいときしか憶えていない。もう結婚していい大人になっただろうが思い出せない。何で私はここに入れられた?」「あんたはグループホーム寿にいる。一昨年、あんたと私が見学に来て申し込んだ。直ぐには入れず去年1月に入居した」「なぜ?」「一昨年あんたは病気がち、病院通いをしたし入院もした。私だけでは介護しきれなくなって、あんたも施設に入りたいと言った。それで、見学に来て申し込んだ」「ここに入ったことを思い出せない」「膵炎でJAとりで総合医療センターに入院し、退院後三日目でここに入居した。入院中色んなことを忘れて、入居した時の記憶もないから、何度説明しても分からなくなる」「今だって疑問。あなたから聞いて理解はでき、どこから来たか想像は出来る。ここが何処か分からない。お父さんの話から、市役所の先へ行って信号の前を曲がった辺りだと分かった。ここに来たのは私にプラスになった。ここは穏やかで、一日中好きなことをしていればいい。一人でいることを楽しめなかったら退屈。いつも坂の上のに建てた家のことを思っている。お父さんと住んだことは分かるが、子どもがいたのか、子どもを育てたのかは記憶にない。こうして話していると泣けてくる。他の誰かと話しても仕方ないし泣かない。家に行きたい」「今はコロナで外出も面会もできない。あんたはここで守られている」「コロナが終わるまで我慢する。それは未定の将来だね」「時間だ。CD鳴らして」「お父さんの声が一番の薬だよ。・・・鳴った。電話返してくる」と、昼寝の直後は悲観的になっていることが多い妻。210204c.jpg
(快晴の空、地平線と沼をオレンジ色に染めて日の出。風向きが変わって、波立つブルーの水面の位置も変化。)