厚い雲から吹き出すように広がる薄雲

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.12.30)
(アルツハイマーになった妻)

高台に着いたときは青空に金星。暗い沼をやっと撮れるころになったら、厚い雲から吹き出すように広がる薄雲。201230.jpg

いつまでも暗い沼、背を丸め眠っているようなネコの木。森かずおさんが最後に手賀沼で撮ろうとしていたネコの木、「どう撮るの?」と聞いたら「現像が上がった後のお楽しみ」と言って止まってしまった時間。以来ずっと眺めているがまだ見つからない。201230a.jpg

ラジオ体操が終わっても日の出の気配がない朝。201230b.jpg


『元気でいなくちゃ』 (2020.12.30)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「聞こえた、聞こえた。嬉しい人の声が聞こえた。二人とも私みたいにごてーんとしていては困るから、元気でいなくちゃ。家にいるのね、何してる?」「掃除、洗濯、食事の用意、年末だから庭の草取りや落ち葉の掃除、いっぱいあってやることには困らない」「ここにいるとそんなことやらなくていい。おしゃべりすることが仕事、おしゃべりが元気の素。子どもたちはどこで何にしている?」「Aは八王子、Lは横浜。AはO社に勤め、Lも横浜の不動産会社、Lの長男Hが大学の推薦入学に合格した」「嬉しいね、お祝いを贈って」「私とあんた連名でもう送った」「サンキュー。話を聞いただけで嬉しいよ、大学生になるっていつの間にか大きくなった。AとLは幾つになった?」「二人とも50前後」「会っていないから、可愛いころの顔しか知らない」「あんたがここに入ったとき手伝いに来てくれた。あんたの鏡台も二人が運んできた」「そんな昔のこと忘れた」「今年の1月のことだよ」「私は他人が忘れることには文句を言うが、自分が忘れることはいいことにしている。アハハ。私は何歳になった、50くらいかな、あれ、80だった?」「80になったばかり」「80じゃもうじき死ぬ歳だね。人生の終焉が近づいても寂しいことではない。つらいことではあるが、そうでないと順番があって次々と後に続く人が困るよね。人の助けになることはやるが、やり過ぎると死ぬからそんなにはやらない」「やり過ぎる程いっぱいやった。ボランティアもたくさんやったし、自分の楽しみのお茶も趣味を越える程やったし、海外旅行にも行った。何でも中途半端に出来ないから忙しかったね」「それだけ出来たのは幸せな夫婦でいたからだね。お互いにさよならするまで元気でいられる訳じゃない。どっちかが送る人、送られる人になる。それで良しとするしかない。こんなこと話す歳になったのね」「 時間になった。CD鳴らして」「・・・鳴った・・・電話終わりました」201230c.jpg
(沼にも、帰り道にも鳥の姿がない朝。後を追うように鳴きながら飛んできて、電線にとまってくれたヒヨドリ。)

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この記事へのコメント

半杭正幸
2020年12月30日 20:48
いつも拝見してます。
ここは我が相馬氏(福島県相馬地方)の故地ですね。相馬の語源は「狭沼」との話もあります。朝日や夕日に冴える広大な沼が有ってこそ、相馬氏の故地だったと思っています。