まだ仄暗い沼、上空の薄雲の向こうに星一つ

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.10.20)
(アルツハイマー)

地平線の雲が高くまだ仄暗い沼、上空の薄雲の向こうに星一つ。201020.jpg

朝焼けも日の出もなさそうだと広場に出たら、斜面林の向こうに色付き始めた空。201020a.jpg

急ぎ高台に戻れば沼上空は一瞬の朝焼け。201020b.jpg

『帰る日はいつ?』 (2020.10.20)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「詮さんですか。帰る日はいつ?」「予定はない」「改めて帰る日を決めよう。ここが嫌だからじゃない」「家に帰っても私は介護出来なくなった」「私はどこも悪くない。帰れば自分で何でも出来る」「去年あんたは病気がち、入院したり病院に度々通った。家の中のことを私がやったが、私では十分な介護が出来なく、あんたは施設に入りたいと言った。二人でグループホーム寿を見学して申し込み、半年待って入居した。食事、洗濯、入浴、体操や、訪問診療の先生が来て診察もしてくれる」「忘れていた」「おかげで目眩や吐き気、頭がガンガンするのが治って膵炎も再発していない」「この状態をしばらく続ける?」「そう」「時には会いに来てくれる?」「毎日電話してるし日曜日の度に面会に来ている」「憶えていない。ここの経費は?」「毎月払い込んでいる」「お父さんはどこにいる?」「坂の上の私たちの家」「一人で? 誰か一緒に住んでいる人がいるの?」「一人だよ」「私はそこへ遊びに行きたい」「今はコロナの伝染病が流行って外出できないが、治まったら家に来てお話ししたり食事をしよう。子どもたちも呼ぼう。夜、何かあっても私では助けられないから、夕方にはグループホーム寿に戻る」「それは分かる。車で送り迎えしてくれる?」「もちろん。あれ、泣いてるの? ~公子なぜ泣くの公子は弱虫~」「~まあるい目をしたオタンコナスよ~ あはは。あなたが先に死んだら嫌、私も死にたくない」「今は生きてる。今を生きることだけを考えよう」「私はここにいればいいのね?」「そう」「毎日電話するし、日曜日の度に面会に行く」「会っても憶えていない」「直ぐ忘れるのが公子の病気。頭の中に記憶は残っていて、直ぐには思い出せないだけ。時々思い出しているよ。今は生きている。生きることだけを考えよう」「そうね。分からないことはその時考える」「時間になった。CD鳴らしてから電話機を返して」「・・・鳴った・・・電話終わりました」201020c.jpg
(空想の中での妻の散歩道、「中学校の脇には花が咲いている」と言ったのを思い出して、撮影の帰り道は遠回り。色とりどりの花が並んで咲いていた。)