ザアと来て、雨を降らせて沼を渡る低い雲

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.10.9)
(アルツハイマー)

ザアと来て、雨を降らせて沼を渡る低い雲。201009.jpg

傘を叩く雨粒の後ろから拍手を打つ音、愛宕大権現の碑に祈っていた散歩の人。201009a.jpg

通り雨が遠ざかれば、くっきりと見え始めた釣堀前に繋がれた小舟。201009b.jpg

『どこが悪かったの?』 (2020.10.9)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「ご主人の詮様からって言われた。どこにいるの?」「Aさんの家から坂を上ったところの家」「私の家だ。二人で建てた家?」「そう」「一人で?」「一人でいる」「いいなぁ。私も終わったらいてもいい?」「何が終わったら?」「身体の悪いところが治ったら。なんで私はここで寝ている?」「去年あんたは病気がちで私が介護していたが、十分な介護をできなかったので、私の代わりにグループホーム寿で介護してもらっている」「私はどこも悪くない。どこが悪かった?」「目眩や吐き気、頭がガンガンして何度も病院に行った。去年の夏には膵炎になって、救急車で東邦病院に入院した。今年の正月にも膵炎が再発してJAとりで総合医療センターに運ばれて入院した」「なぜ私はここにいいるの?」「去年の夏、私があんたの介護を十分出来なくて、あんたは施設に入りたいと言った。二人でグループホーム寿を見学して良い所だから申し込んだ。満室なので待って、今年1月からここに入居できた。正月にあんたの入居の仕度をしにAとL二人の娘が来たら、あんたは嬉しくて食べ過ぎた。娘たちが帰った後で膵炎を再発して入院した」「おばかさんだったねぇ」「入院中に色んなことを忘れ、ここに入所したのも憶えていなかった」「全部忘れたのじゃなく、何かの拍子に思い出すこともある」「ここでは食事や洗濯などの生活面、訪問診療の先生の診察もある。目眩や吐き気、頭がガンガンするのはなくなったし、膵炎も再発していない」「何が原因だった?」「膵炎は分からないが、目眩や吐き気などは、体質が変わって、背中に貼っていた薬の副作用だったかもしれない」「私と別に暮らしてあなたは助かってる?」「助かってる。同じ屋根の下じゃないが、お互いに生き延びられる。近くにいて電話も出来るし、面会も出来る」「あなたは苦労したね」「時間になった。CD鳴らして」「・・・鳴った」「電話機返してきて」「・・・今村です。電話終わりました」201009c.jpg
(また降り始めた通り雨、誰もいない赤と白のソバ畑の前。)