寂しさが雨粒に乗って落ちてくる沼の夜明け

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.10.8)
(アルツハイマー)

寂しさが雨粒に乗って落ちてくる沼の夜明け。201008.jpg

誰もいないケヤキの周りのソバ畑、ふと「雨に濡れたソバの花を撮りに行こう」と思った。201008a.jpg

ケヤキの木と、赤と白のソバの花。これに日の出を入れて撮ったであろう昨日朝のカメラマンたち。濡れた草が踏みしめられていた撮影の跡。201008b.jpg


『昨日は病気になった』 (2020.10.8)
昨日午後の妻との電話、「もしもし」「は~い」「昼寝しにベッドへ入っていた。昨日は病気になった。夜になって吐いて、薬を飲んで落ち着かせた。胃の気持ちが悪かったが眠って、今朝起きたら治っていた。昨日、家に帰りたいと言ったら今は夜だからダメだとか言われた」「今日、ご飯は食べた?」「お昼ご飯を食べて部屋に戻って寝た」「朝ご飯は?」「食べた。午前中は何か手伝うことがあるかと思って待っていたが何もなくてゆっくりした。部屋に戻ったら昼ご飯だと呼びに来た」「ちゃんと食べた?」「おいしく食べた」「治ってよかったね」「昨日は色んなことがあって気持ちが休まらなかった。お父さんと話していると安心していられる」「私はあんたのお父さんじゃなくて夫だよ」「分かってるけど、ずっとお父さんって言って慣れているから」「昨日電話したとき、あんたは私があんたの夫であることや子どもたちとの関係も分からなくなっていた。そのことばかり考えてパニック気味だった。私は子どもたちのお父さん、あんたの夫だと分かって落ち着いたようだった」「昨日電話した? そんなこと話したのも知らない。昨日の夕方は地獄だった。部屋の前の流しに吐いて、トイレに入ったら誰かがドンドンって戸を叩いた。ランプが点いているから分かるはずだと怒ったら叩くのをやめた」「治ってよかったね。今日、家の中を整理していたらあんたのお父さんの傘寿、お母さんの喜寿のお祝いを娘たち夫婦と孫たちでやったときの写真が出てきた。今度の面会に持って行くね」「嬉しい」「時間になった。CDを鳴らして。自分で出来る?」「出来るよ。・・・鳴った」「電話機返して職員さんと代わって」「・・・夫からです」「もしもし、代わりました」と職員さん。昨日午後の電話のことは憶えていないのに、夕方気分が悪くて吐いたことは具体的に話した妻。空想の話しかと思って確認したら吐いた事実はなかった。昨日気分が悪かった感情だけが残り、忘れた部分を空想して埋め、私に話したらしい。201008c.jpg
(雨に濡れ透き通るように白いソバの花。)