霞か薄雲の向こうに淡い日の出

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.9)
(アルツハイマー)

藤棚に膨らみ始めた蕾を眺めていたら、霞か薄雲の向こうに淡い日の出。200409.jpg

遊歩道脇まで朝日が差し込めば、蘆の枯れ茎の皮を剥ぐオオジュリン。200409a.jpg

転ばぬように一歩ずつ菜の花畑への傾斜を登って、ふと見上げたらこっちを見ていたモズ。200409b.jpg


『私が入る予定のところ?』 (2020.4.9)
泣かれて困った昨日午後の電話、「もしもし」「泣き声は嫌だよ」「ずっと泣いていた」「何が辛かったの?」「あなたがどこかへ行って、いくら待っても帰ってこないから。声を聞いて嬉しくてまた泣けた」「ずっと家にいて、毎日電話したよ」「知らない、電話してきたのは他の誰かだよ。・・・ベッドの上に寝たら泣いた鼻水が逆流しちゃった。私はいま学校にいる。いつ迎えに来てくれる?」「学校じゃない、グループホーム寿だよ」「どこにあるの?」「消防署の先の交差点を過ぎたら最初の路地を左に曲がって、突き当たりを右に曲がったところ」「そこはあなたと見に行って、私が入る予定のところ?」「そうだよ」「ああよかった。私はそこに入っているのね」「壁の方を見て、家にいたとき使っていた鏡台があるでしょう」「あるある」「入所したときに娘たちが二人で運んできてくれたよ。テーブルの上にラジオもあるでしょう」「あなたが買ってくれたラジオ」「そこはあんたの部屋」「学校だか病院に連れて行かれて、ずっと迎えに来てくれなかった。私が入ることになっていたところに来ていたとは知らなかった」「もしかしてJAとりで総合医療センターに入院した時のことかな。入院中にすっかり忘れて、退院したらどこに行っていたかも分からなかった。記憶の混乱が治らないうちにグループホーム寿に入所したので、入る予定だったところに来ているとは思えなかったのかな」「やっと分かった。気が楽になった。私はここにいていいのね?」「いいよ、そこはあんたの部屋だから。コロナの伝染病が治まったら、外出して家を見に行ったり一緒に散歩しようね」「それを聞いて嬉しい。ずっと前に消えていなくなり、私を見捨ててもう来ないのかと思った」「一緒に散歩したり、家を見に行くためにも元気でそこにいてね」「やっと分かって安心した。もう泣かないよ」「明日も電話するね」「待ってるよ。ありがとう」
何度も忘れ、何度も同じことを話して、一日一日が過ぎて行く。外出も面会もできなくなってストレスが溜まってきたようだ。200409c.jpg
(菜の花に埋もれそうに止まっていたホオジロ、こんな光景を見たらストレスもやわらぐだろうに。)