菜の花も色褪せて見える曇天

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.10)
(アルツハイマー)

今にも降り出しそうな雲、菜の花も色褪せて見える曇天。200410.jpg

ぽつりぽつりと降り始めた雨、じゃれ合うように若葉の間を潜るスズメ。200410a.jpg

ここまで来ると見える我が家の近所。いつも大きな声で「おはよう」と挨拶してくれた人、大きなマスクをかけて黙って会釈。200410b.jpg


『昔のことはいっぱい憶えているね』 (2020.4.10)
昨日午後、電話機を渡された妻、「どうするのかな」と言った途端切断。再度かけ直すと、切ってしまったと職員さんに相談に行っていた妻、「もしもし、触ったら切れちゃった。不細工なことして恥ずかしい。ごめんね。私バカになっちゃった」「ちょっと間違えただけ」「理屈を聞くと納得するが、記憶に残らない。片っ端から消える」「消えてもいいよ、何度でも同じことを言うから」「淋しいことや辛いことだって直ぐ忘れるけど、すぐまた考えちゃう。市役所のところから沼に沿って歩いて、坂を登れば家。鍵はどうなっているか、あなたはいるか考えるが、どうしようもなくてばたんきゅう。私の心の課題だからまたすぐに考え、何をしていいか分からなくなってイライラ」「いつも家に歩いて帰る話しが多いね。いまは外出禁止で外に出られないのに」「言われたらそうだと思うけど、考えているときはそんなこと忘れている」「でも、昔のことはよく憶えているね。初めて出会ったときのことだって憶えていたね」「S先生の家に呼ばれて、行ったらあなたに会った。結婚式の時に写真館の前でタクシーから降りて花束を溝に落とし、運転手が洗ってくれた。何年か前、S先生が亡くなってお宅に行ったとき年取った奥さんが泣いてかわいそうだった」「昔のことはいっぱい憶えているね」「でも、昨日のことはもう思い出せない」「昨日は昼寝中に電話したから、グループホーム寿にいるのにどこにいるか分からなかった。学校か病院に入院していて私が迎えに来ないからと泣いていた。やっとグループホーム寿にいると分かって安心したようだった」「全然記憶にない」「今日は元気な声で嬉しかったよ。長くなったからまた明日話そうね」「電話ありがとう。返しに行ってくる」と言って、切断しないまま事務所の人に電話機を返す声。200410c.jpg
(大分積み増した抱卵中の巣、母さんの傍でじっと見守っていた父さん)

霞か薄雲の向こうに淡い日の出

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.9)
(アルツハイマー)

藤棚に膨らみ始めた蕾を眺めていたら、霞か薄雲の向こうに淡い日の出。200409.jpg

遊歩道脇まで朝日が差し込めば、蘆の枯れ茎の皮を剥ぐオオジュリン。200409a.jpg

転ばぬように一歩ずつ菜の花畑への傾斜を登って、ふと見上げたらこっちを見ていたモズ。200409b.jpg


『私が入る予定のところ?』 (2020.4.9)
泣かれて困った昨日午後の電話、「もしもし」「泣き声は嫌だよ」「ずっと泣いていた」「何が辛かったの?」「あなたがどこかへ行って、いくら待っても帰ってこないから。声を聞いて嬉しくてまた泣けた」「ずっと家にいて、毎日電話したよ」「知らない、電話してきたのは他の誰かだよ。・・・ベッドの上に寝たら泣いた鼻水が逆流しちゃった。私はいま学校にいる。いつ迎えに来てくれる?」「学校じゃない、グループホーム寿だよ」「どこにあるの?」「消防署の先の交差点を過ぎたら最初の路地を左に曲がって、突き当たりを右に曲がったところ」「そこはあなたと見に行って、私が入る予定のところ?」「そうだよ」「ああよかった。私はそこに入っているのね」「壁の方を見て、家にいたとき使っていた鏡台があるでしょう」「あるある」「入所したときに娘たちが二人で運んできてくれたよ。テーブルの上にラジオもあるでしょう」「あなたが買ってくれたラジオ」「そこはあんたの部屋」「学校だか病院に連れて行かれて、ずっと迎えに来てくれなかった。私が入ることになっていたところに来ていたとは知らなかった」「もしかしてJAとりで総合医療センターに入院した時のことかな。入院中にすっかり忘れて、退院したらどこに行っていたかも分からなかった。記憶の混乱が治らないうちにグループホーム寿に入所したので、入る予定だったところに来ているとは思えなかったのかな」「やっと分かった。気が楽になった。私はここにいていいのね?」「いいよ、そこはあんたの部屋だから。コロナの伝染病が治まったら、外出して家を見に行ったり一緒に散歩しようね」「それを聞いて嬉しい。ずっと前に消えていなくなり、私を見捨ててもう来ないのかと思った」「一緒に散歩したり、家を見に行くためにも元気でそこにいてね」「やっと分かって安心した。もう泣かないよ」「明日も電話するね」「待ってるよ。ありがとう」
何度も忘れ、何度も同じことを話して、一日一日が過ぎて行く。外出も面会もできなくなってストレスが溜まってきたようだ。200409c.jpg
(菜の花に埋もれそうに止まっていたホオジロ、こんな光景を見たらストレスもやわらぐだろうに。)

桜が散って菜の花が見頃になった市民農園跡地

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.8)
(アルツハイマー)

桜が散って菜の花が見頃になった市民農園跡地。200408.jpg

ヒヨドリが飛び去ったら入れ替わりにシジュウカラ。200408a.jpg

レンズを向けたら逃げたシジュウカラ。200408b.jpg


『何で私はここにいるの?』 (2020.4.8)
妻に電話した昨日午後、「もしもし、お昼ご飯が済んで一休みしていたところ」「眠ってたの?」「ちょっとだけ。ここから近いから電話より帰った方が早い。直ぐ行こうか?」「いまは外出も面会もできないよ」「どうして?」「伝染病が流行っていて、感染防止のため」「あなたはどうしてる?」「家にいるよ」「食べ物はどうするの?」「なくなったら買いに行く」「だったら私がここから歩いて行ったら買い物に行くより簡単じゃない」「あんたが外出して感染したらそこの他の人たちも感染させちゃう。だからそこは外出禁止になったの」「何で私はここにいるの?」「家にいたとき、お腹が痛くなったり、目眩や吐き気や頭がガンガンして頭の気持ちが悪くなって何度も救急車やタクシーで病院に行った。私も年を取り過ぎて思うように動けないし、あんたも介護してくれる施設に入りたいって言い出した。ケアマネージャのMさんの紹介でそこを見学し、あんたも気に入って申込んだ。何ヶ月も待って、1月にやっと入居できた」「憶えていないけど、あなたにずいぶん苦労かけてるね。私は元気になったし頭の気持ちも悪くない。もうここにいる意味がない」「そこにいたら訪問診療のお医者さんが来てくれ、薬をもらって、頭の気持ちが悪くて辛いのも治った。お腹も痛くならなくなった。そこでは食事、洗濯や生活面で専門の介護支援が受けられる。伝染病の防御もしっかりしている」「長くここにいたの?」「3ヶ月くらい」「まだ3ヶ月か。もう何年もいたかと思った。3ヶ月くらいでわがまま言っちゃダメだね。今日は以前のことを思い出せない」「眠ったからだよ。目が覚めたら思い出すよ」「私にとっても、あなたにとってもここにいるのが一番いいの?」「そうだよ。そこで楽しみを見付け、笑顔で過ごして」「笑ってなんかいられないよ」「じゃぁ自分で足の裏や脇の下をくすぐったら」「アハハ」「また明日電話する」「あなたも元気でね。ありがとう」で切れた通話。200408c.jpg
(我孫子に引っ越してきて間もない頃の手賀沼散歩、「これがオオバン」と教えてくれた妻。市の鳥になった程たくさんいたが、いまはめっきり数が減ってしまった。)

赤紫に染まった空を映す沼

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.7)
(アルツハイマー)

薄雲の向こうはもうじき日の出、赤紫に染まった空を映す沼。200407.jpg

遊歩道を歩いていたキジ、水路を飛び越え畦道で鳴いて羽ばたき、くるっと向きを変えて開いた尾羽。200407a.jpg

散ったソメイヨシノにまだ通ってくるヒヨドリ、蜜を吸っているのか逆立ちをして。200407b.jpg



『えーと、いちいち憶えていないよ』 (2020.4.7)
妻に電話した昨日午後、「もしもし、こんにちは」「元気な声だね」「元気になったよ。悪い声だと嫌な奴だと言って可愛がってくれないと困るからね」「お昼ご飯、ちゃんと食べた?」「食べたよ」「何食べた?」「今日はね、えーと、いちいち憶えていないよ。何を食べたか聞くならノートに書いておかないとダメだな」「ラジオ聞いてるの?」「ベッドに腰掛けて聞いてた」「日本の歌のCDも聞いた?」「でたらめにボタンを押すからから何が鳴るか分からないけど、日本の歌も鳴るよ」「分からないときには職員さんに頼めばやってくれるよ。昨日頼んでおいた」「じゃあそうする。外と遮断されてるから何があったか分からないが、何かあったの?」「やっと緊急事態宣言が出るようだ」「テレビが東京のことばかり言っていたような気がする」「東京と神奈川、千葉、埼玉らしい」「直ぐ近くでも、どんどん家が遠くなる。外を歩かなくて脚が弱ったら歩いて帰れなくなる」「あんたのS姉さんは脚が弱らないように合戸のホームで一生懸命歩いているってN姉さんが電話で言っていた。あんたも廊下を歩けばいい」「今村さん何してるのって言われちゃうな」「脚が弱って歩けなくならないようにトレーニングしているって言えばいい」「それがいい。そうするよ。世の中が騒がしくて、外に出て歩けないって、初めての断絶の経験で辛いよ」「いまは生きてることが大切。脚が弱らないように廊下を歩いてね」「アハハ、分かったよ」「また明日電話するね」「電話ありがとう。明日も待ってるよ。廊下に出たら事務所だから電話を返してくる。・・・・・電話終わりました。ありがとうございました」
日替わりで気分が鬱的になったり治ったり。天候の変化と関係がありそうだが、自宅にいた昨年より明るくなって鬱的な期間が短くなったように感じる。200407c.jpg
(遊歩道のソメイヨシノが散って咲き始めたカンザン。緊急事態宣言が出ても健康維持のための散歩は禁止されないと聞いて安堵)

なぜかコロナが頭をよぎった今朝の日の出

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.6)
(アルツハイマー)

斜面林の向こうが輝き、なぜかコロナが頭をよぎった今朝の日の出。人が見えたら端に避け、通り過ぎるのを待った遊歩道。200406.jpg

足元を見れば、タンポポまでがコロナに見える不安感。遅きに失しただろう非常事態宣言。200406a.jpg

茂みの中に飛び込んで、なぜか鳴かない隙間から見えたホオジロ。200406b.jpg


『自分でも変わったと思うよ』 (2020.4.6)
泣かれるかと恐る恐る電話した昨日午後、「もしもし、お昼ご飯食べて、大きい教室に来ていた。部屋はワックスを掛けているから別の部屋から電話してる。他の人はリーダーが広い部屋へ連れて行って何かお話ししている。久しぶりだけど元気?」「私は元気。昨日も電話したよ。」「昨日何を話した?」「みんな元気だが自分だけ元気じゃないと泣いていた。明日から泣くのは止めるって言ってた」「いつだって泣きたいよ」「泣くのは嫌いだよ。私まで辛くなるから。最近、ずいぶん回復してよくなったね」「自分でも変わったと思うよ。新聞を読んでも直ぐ忘れたのに、書いてあることが理解できるようになった。私はどこが悪かったの?」「家にいた頃、膵炎になって二度入院したし、目眩や吐き気、頭や耳がガンガンし、頭の中に仕切板が入っていると訴えることが多かった。背中に貼る薬の副作用を心配し、Y先生からも、救急外来の先生からもしばらく使用を止めるよう指示が出た。直後にグループホーム寿に入居して訪問診療の先生が目眩の薬や血流をよくする薬を処方してくれて頭の気持ちが悪いのは治った。膵炎も再発していない」「頭の気持ちが悪かったことは憶えていなが、いまは頭の気持ちは悪くない」「今日は元気な声で、会話もはっきりしてる」「話を聞いてそうだと思うし、客観的に見てよくなったからここにいる意味はなくなったと思う。私は私として自立するために家に帰りたい。辛くても歯を食いしばって我慢する」「そこにいる意味は大きいよ。家に帰っても私たち二人は年をとり過ぎ、急に体調変化があっても助けられない。いまあんたの状態がいいのは、そこにいて訪問診療の先生の診察を受けているし、健康や生活は専門の介護をしてもらい、伝染病に備えても細心の防御している。家に帰ったらできないことばかりだよ」「みんな向こうでテレビを見てる」「あんたも行って見たら」「そうする。電話を切るよ」200406c.jpg
(羨ましくも見える、いつも同じ場所で出会うカルガモのペア。)

黒い雲から出て薄雲の中に日の出

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.5)
(アルツハイマー)

黒い雲から出て薄雲の中に日の出。200405.jpg

淡い日差しの中を飛んできたツグミ数羽、膨らみ始めた新芽を啄みに来たのか。200405a.jpg

揺れる水面を目で追えば、突如浮上したカワウの嘴に大きな獲物。200405b.jpg


『思うように事が運べないのは辛いよ』 (2020.4.5)
天気の変化が激しいから気分が下降気味かと思いつつ電話した昨日午後、当たりだった。「もしもし」と最初から泣き声。「泣いてるの?」「元気なつもりでも、病気が私を追い掛けてきているみたいだ。みんな平気な顔でいるのに私だけが辛いのは、私は病気に違いない」「みんなといるときも泣いていたの?」「泣いていなかった。自分の個室に戻ってから泣いた」「みんなだって部屋に入ったら泣いた人もいるかもよ。あんた一人だけが辛いって分からないじゃない」「みんなが平気でいるのに私の心が辛いのって悔しいよ」「昨日はずいぶんよくなって嬉しかったけど、治ってきたからまた負けず嫌いの虫が動き始めたかな。今はどこも悪いところはないよ。そこへ入ってから、薬を飲んで膵炎も再発していないし、目眩や吐き気、頭や耳がガンガンしたり、頭の中に仕切板が入っているような気持ち悪さもなくなっている。いまはどこも悪くないよ」「私はずっとリーダーでやってきたでしょ、いまはみんなが話してるのに私だけが元気がないんだもの。どうでもいいことを勝手にしゃべってる人たちと一緒だと、思うように事が運べないのは辛いよ」「仕事じゃないからどうでもいいじゃない。みんな言いたいことが別々だから。昨日はあんたの理解力がずいぶん戻って来たと思ったよ。理解力が戻って来たから脈絡のない話しには入りにくくなったんだと思うよ」「話しに入れないのは悔しいし辛いから部屋に戻ってきた。個室でよかったと思う。好きなように泣けるもの」「泣くんじゃなくてラジオを聞いたり、日本の歌のCDをかけて歌えばいいいじゃないの」「そうか、ラジオを点けるか。明日からは頭を切り換えて泣くのは止めるよ」「明日じゃなく今日からね」「分かった。頭を切り換えるよ」「明日の電話でどうなっているか楽しみにしてるよ。もう電話機返してきて」「じゃぁ切るよ」
しばらく隠れていた負けん気とわがままが出てきたらしい。ショートステイで話し相手だった気の合った人が来ていなかったとき、別の人たちとの話の輪に入れなくて同じような不満を言ったことがあった。200405c.jpg
(お前には羽があるのに飛び越せないのか金網の柵。背伸びして向こう側を覗き、鳴いて羽ばたき尾羽を広げたキジ。)

山の端の薄雲の向こうから日の出

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.4)
(アルツハイマー)

山の端の薄雲の向こうから日の出。200404.jpg

残り少ない花を潜って未練気にホオジロ。200404a.jpg

葦の茎の皮を剥いでいたオオジュリン、レンズに気付いたかパッと飛ぶ。200404b.jpg


『伝染病に気をつけてここで生き抜く』 (2020.4.4)
期待と不安半々で妻に電話した昨日午後、妻は元気な声。「もしもし、わたし。さっきまで考えていたの。帰りたいなぁっていう気持ちだが、 帰れないっていう結論。東京の病院が満員になるほどの伝染病だから外に出られない。ここでやれることをやるしかないって、自分では客観的に見ているつもりだけど、他の人のことは知らないので自分だけのセリフ」「勉強したね」「何度か聞いたような気がするし、新聞を見てそう思った。ノートに書いておいた。あなたはどうしてる」「朝食の後片付けをしていて、食器を持ったまま転んで食器が割れて飛び散った。床やソファーが汚れて、助けてーって叫びたかった」「助けに行けないから放っておきな」「ダメだよ、私が生活してるもの」「私の同級生のTさんの奥さんが入っているところも2月末から面会できなくなったそうだ」「かわいそうに。私は伝染病のことが分かったから、ここにいることでほっとした気分。ここにいたらお医者さんが来てくれるって、あなたが書いておいたのを読んだ。忘れないように私もノートに書いておいたよ」「すごいな。全部分かっちゃったね」「あなたはどこにいるの?」「家にいる」「外には行かないの?」「パンを買いにコンビニに行く以外ずっと家にいるよ」「家に帰って一緒に暮らしたい」「お互いに年を取り過ぎて難しくなったね」「そうだね」「伝染病のこともあるし、あんたはそこにいたら家にいるより安全だよ」「医師の手を借りて、与えられた環境の中で生き抜く。伝染病に気をつけてここで生き抜く。だけど辛いなぁ」「伝染病が終わったら会いに行くし、家を見に来ることもできる。一緒に散歩もできる。頑張って待とう。明日も電話するね」「分かった。事務所に電話を返してくる」
びっくりするほど家に帰れない理由を理解していた。昨年夏、急性膵炎で入院した以前に戻ったような妻だった。さて、明日はどうなっていることやら。200404c.jpg
(来年は見せてやれるだろうか菜の花やケヤキの芽吹き、ダメならばオリンピックだって中止だろうに)

タシギじゃなくてオオジシギ

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.3)
(アルツハイマー)

ムクドリ数羽が突然飛び立ち何かが走った。咄嗟に撮った数枚に写っていた一枚をタシギと書いて投稿しようとしたが、何となくしっくりしなくて投稿できない。「嘴の基部がタシギより太いように見えます。オオジシギではないか」との友のアドバイスでオオジシギと書き直した。200403.jpg

オオジュリン数羽が枯れた葦の間を移動、急に紛れ込んできた一羽、よく見たらアオジ。200403a.jpg

ちょっと離れて、「こっちこっち」と隙間に出てきたオオジュリン。200403b.jpg


『何を話そうと思ったか忘れちゃった』 (2020.4.3)
妻に電話した昨日午後、Oさんが電話機を妻に渡す声「お父さんから電話ですよ」「わざわざありがとう。何分くらい話してもいい?」「何分でもいいですよ」と会話が漏れてきた。
「もしもし、昼ご飯食べてから部屋に戻ってラジオを点けたら音楽が鳴った。そのとき電話を持って来てくれた」「昨日友だちのAさんにポカリスエットと何日分かの新聞を持って行ってもらった」「受け取ったと思うけど、どこだったかな。・・・ないよ。事務所で聞いてくる」と。Oさんが部屋に来て探してくれているらしき会話が聞こえ電話が切れた。
15分後に電話すると、「いま盛り上がってみんなとお話中、新聞に出ていたお父さんの撮った鳥の写真の話しかな。どうします?」とOさん。「楽しくやってるならまた後で電話します」と切った。
また15分ほどしてかけ直したら、「まだお話してるけど呼んできますね」とOさん。「もしもし、ごめん。あなたがどんな人かって聞かれたから、出張に出掛けたらあっちこっちに行って、どこにいるか分からなくなっちゃう人だと言ったら、みんなゲラゲラ笑ったよ」「そう、おもしろい話ができてよかったね。化粧品がなくなったって聞いたからまとめて買っておいた。いま不足しているのはなに?」と聞いたら鏡台の前に行って調べ始めたが、直ぐ他のことが気になって脱線。やっと使い切った二品目の商品名を聞き出した。「後で届けておくからね」「近いから私が取りに行こうか?」「伝染病が流行っているからダメだよ」「そうだったね。何を話そうと思ったか忘れちゃった」「明日も電話するから、思い出したら明日教えてね」「じゃあ電話機を返してくる」と言ってプツンと切れた。
外出の仕度をして、グループホーム寿まで化粧品を届けたが、妻に気付かれると帰りたいと泣かれるだろうから玄関前でOさんにそっと渡して帰る。いつまで続くだろうか面会できない期間。200403c.jpg
(金網の向こうに雌がいるのだろうか、昨日朝も今朝も、金網の前で鳴いて羽ばたいていた雄のキジ)

遊歩道を歩けば枯れた葦の向こうに日の出

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.2)
(アルツハイマー)

遊歩道を歩けば枯れた葦の向こうに日の出。右に行っても左に行っても見つからなかった隙間。200402.jpg

散歩の人が近寄って来たら、遊歩道から飛び立って通り過ぎるのを待つツグミ。200402a.jpg

鳴き声を頼りに探したら、繁みの隙間から見えたホオジロ。200402b.jpg


『外へ出られないのは健康的じゃない』 (2020.4.2)
妻に電話した昨日午後、「もしもし」「もしもし、元気な声だね」「元気でいるものですか、よたよた歩いてるよ。午前中はみんなで集まって何かお話を聞いたが、あまり聞きたいお話でもなかったから記憶にない。お昼ご飯を食べ、みんなで掃除をして、自分の部屋に戻った」「ご飯はおいしかった?」「おいしかったよ」「よかったね」「今日は雨だけど、窓から見ると垣根があって、隙間から車がいっぱい駐車していた。その先の広い道を下ったら市役所、手賀沼沿いに家に行く道は分かるから、あなたが本当に家にいるか検分に行こうかと思った。トイレに行って戻って来たら、電話が来たと繋いでくれた」「ありがとうって言ってる声が聞こえたよ」「私はちゃんとお礼を言って、丁寧に応対するようにいつも心がけているよ。そうすればやさしく対応してもらえるもの」「午前中にAさんから電話があって、私が腰が痛いとブログに書いたから、必要なものがあったら買ってきてくれるって言ってくれた。足りないものの買い物をお願いした」「彼女は優しいね。手紙もくれたよ。私も元気になったから帰っていろいろやってあげる。ここにいるのは意味ないもの」「家にいるときは、目眩や吐き気、頭がガンガンしたり、頭の中に仕切板があるみたいだと苦しんでいたが、そこへ入って平和台病院の訪問診療の先生が定期的に来て診てくれすっかりよくなった。そこでは元気に過ごせるように健康面や生活面で面倒を見てもらえる。そこにいる意味は、家にいては難しい健康的な生活を維持できるってこと」「外へ出られないのは健康的じゃない」「いまは伝染病が流行っているから外へ出られないの」「そうか。日本中?」「日本だけじゃなく世界中」「厄介だね。いつ終わるの?」「分からない。終わったら一緒に手賀沼へ散歩に行ったり、家を見に戻ったりしようね。続きの話は明日しよう」「じゃあ、電話機を返してくる」200402c.jpg
(強風に波立つ水面すれすれに飛ぶユリカモメ、こんな日はさりげなく急ぎの用事を思い出し、散歩を断っていた妻を思い出す)

霧に消えた対岸や岡発戸新田の突端

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.4.1)
(アルツハイマー)

多少腰の痛みがやわらいで、500歩の道のりを800歩程かけて辿り着いた桃山公園の高台。霧に消えた対岸や岡発戸新田の突端。200401.jpg

高台の下の市民農園跡、小糠雨に濡れたサクラの花と菜の花。200401a.jpg

鳴き声が聞こえる方を見上げていたら、サクラの花が揺れ蜜を吸うヒヨドリの姿。200401b.jpg



『私あなたと結婚してたの?』 (2020.4.1)
妻に電話した昨日午後、「もしもし」「はいはい、元気のいい声だね」「肩の荷が下りたから」「何があったの」「結婚式に行ってきたから」「誰の?」「姉妹会の誰かの・・・うーん、分からなくなった」「毎日電話しているけどそんなことなかったな」「毎日? 私、何って言ってた?」「いつも同じような会話だよ」「私の頭には一日一日が別々には入っていないの。面倒くさいとか可愛いとかでおしまい。私はどこにいるの?」「グループホーム寿」「当たり~。ここはホテル?」「あんたが元気になって過ごせるようにお世話してくれるホーム」「あんたはどこにいるの」「家」「直ぐ近くの?」「そう、二人が一緒に住んでいた家」「手賀沼から坂を上がったところ?」「そう」「二人とも元気?」「誰と二人?」「結婚した人と」「結婚した人ってあんたじゃないの。いまは一人で住んでるよ」「私あなたと結婚してたの? 私は誰と結婚したのかって考えたが分からなかった。あんただったのか。一人で住んでるの? 一人で困らない? 淋しかったり辛くない? 頭を撫で撫でしてあげよう。ああ、家に帰りたい」「伝染病が流行っているから外出できないよ」「人の出入りが激しいところに行ってはダメとテレビで言ってた。いつまでダメ?」「分からない」「夫婦だからあなたもここに来て一緒に住んだらいいのに」「私はそこに泊めてもらえないの」「夫婦でもダメか。訳のわからないことが続いて、家は下の道を歩いて坂を登ったところだと憶えていたが、そのとき夫が誰か頭に出てこなかった。人が大勢いると誰が誰だか分からなくなる。自分の子どもか兄弟の子どもかも分からなくなって、一人ずつでも顔は同じに見えちゃう」「そうか、今日は頭の中がごちゃごちゃしてるみたいだね」「結婚した相手も分からなくなって困っちゃうな。あはは。今日は夫が誰だったか考えちゃったが、あんただったのね」「分かってよかった。長くなったから、また明日電話する」「明日も電話してね。他人じゃなくてよかった。電話機返してくる」
夫が誰だか分からなくなったと笑って話した妻、私は笑えない。天気が悪くなる前によくある症状だ。2004014.jpg
(植えたばかりの垂れ桃の苗木を見て、「咲いたら見に来ようね」と言った妻。二年ほど前の散歩のときだった。)