曇天の薄雲の向こうに日の出

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.3.26)
(アルツハイマー)

曇天の薄雲の向こうに日の出。200326.jpg

鳴きながら頭上に飛来したヒヨドリ、咲き始めた花の間に見え隠れ。200326a.jpg

遊歩道と埋立地の間に集まって来たコガモたち。200326b.jpg



『どこにも出られない元気だけど』 (2020.3.26)
妻と電話で話した昨日午後、「もしもし」「はーい。今昼休みが終わって部屋に戻ったところ。職員の人が担当の人を部屋に送っていったりしている。ご主人はと聞かれたので高野山の家にいるって答えた。ここにいる人はみんなおかしいから、聞かれても訳のわからない作り話を言っているみたいだ。私は高野山にいることを知っているから答えたが、歩いても行かれるほど近いところだとまでは言わなかった。みんな何を言ったか忘れちゃうから私も適当に答えている」「食事が終わった後のお話会?」「そうじゃないよ。みんなほとんどしゃべらないもの」「じゃぁ職員さんとの話?」「そう。聞かれて知ってることは答えるが、知らないことは適当に答えるよ。手紙や回覧も持って来てくれる。これは私のもの、これは違うと言うと私のだけ置いていく」「他の人のものも持ってくるの?」「知らない。たとえばの話だよ」と、分かったようなよく分からないことを延々と話す。「ごめんね、話しの情景が見えないからよく分からない」と言えば、「頭の中がごちゃごちゃしている者の話がちゃんと分からなくたっていい。ここではそういう話しばかりだから」とちょっとご機嫌斜め。
「今日は天気がいいから元気そうだね」「元気だよ。どこにも出られない元気だけど、もう慣れたよ。ここに住んでる人とたまに話しても、全然違うことの答えが返ってくるから、お互いに適当に相づちを打ってるみたい。取り繕ってウソの会話ばかりしているからつまらない。それでいいんだ、直ぐ忘れちゃうから。話しをする人もいないから、食事が終わったらベッドで大の字になっている。電話を掛けてくれると話ができていいよ。長くなったから電話機を返してくる」と言って歩く気配。Oさんの声が聞こえて切れた。
前日と変わってハイな様子、ほとんど一人でしゃべり、私と話した気分になったのだろう。いつも私が言う「長くなったから」の台詞を妻が言って電話を終わった。こういう日の方が泣かれるより楽でいい。200326c.jpg
(コロナの猛威に面会も外出もなくて嘆く妻、ここならコロナも怖くない釣り人)