霧雨に包まれ泣いているような沼

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.3.10)
(アルツハイマー)

霧雨に包まれ泣いているような沼。200310.jpg

霧雨が上がり始め、遊歩道を走り去った若い人二人。200310a.jpg

ツバキの花の蜜を吸っていたヒヨドリ、畑で餌を拾うツグミになんで焼き餅。200310b.jpg



『庭のオカメザクラがきれいだった』 (2020.3.10)
昨日午後、スタッフから電話機を渡された妻。「もしもし、私」と元気な声。「もしもし、元気そうな声だね」「今どこ? 家? 高野山の私たちの家?」「そうだよ」「電話機届けてくれたけど、何が何だかわからない。近くにいるんだよね」「いるよ」「電話が鳴ると私にかと思って慌てて部屋の外に出るが、直ぐ誰かが話し始めて、私にじゃないって分かる。やっと慌てなくても話せるね」「あんたの元気な声を聞きたくて電話したよ」「さっきまで、電話したのは昨日のことだったか、今日のことだったか分からなくなっていた」「毎日電話するから気にしなくてもいいよ」「今日は何をした?」「順天堂の先生からY内科に手紙が届いて、Y先生から薬の処方箋を出してもらって、薬局で薬をもらってきた」「よかったね」「私は案外冷静だよ。変なところへ電話しようとも思わないし、あんたが自分の家にいて家を守ってくれてるって分かったし、家も近いから安心したよ」と言って急に泣き声になる。「泣かないでよ」「泣くよ。早く正常に戻って、会いたいよ」「庭のオカメザクラがきれいだったから、朝の撮影から戻ってオカメザクラを撮ったよ。プリントしたハガキを出した。いつも写真を撮って戻る頃にあんたが雨戸を開けていたが、今は私だけだからまだ雨戸が閉まったままの写真だよ」「私がいないとダメだね。逃げ出して来いと言って欲しいな。でも、逃げ出したら大問題だね。何にもやることがないからつまらない」「歌を歌いなさいよ」「歌う気にならない。ひこひこ生きてるよ。ご飯も食べてるよ。みんなは外で伝染病が大変だって知らないみたい。だから私も言わないようにしている。玄関に行って外を覗くだけじゃ分からないよ」「ラジオを鳴らしておいたら一人じゃない気分になるかもね。明日また電話するよ」「あんたも外に出ないで、大きい病気をしないように自分を守ってね。電話ありがとう」と、少し落ち着いている様子だった妻。200310c.jpg