雨は止んだが未だ暗い沼

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.3.8)
(アルツハイマー)

右に行こうか左に行こうか迷って立ち止まれば、雨は止んだが未だ暗い沼。200308.jpg

カッパの噴水に行きたいコサギ、噴水の周りはカワウたちが占拠。200308a.jpg

遊歩道を横切り田んぼに舞い降りたコガモたち。200308b.jpg



『ここは平和でも心の中の満足度はゼロ』 (2020.3.8)
昨日午後の電話、「今日も落ち着いています」とOさん、妻に代わって「もしもし、あなた? 私、泣きそう。今日は私の鏡台のある部屋にいたり、広い部屋に呼ばれたり、今は小さい部屋にひとりだけ。窓の外の駐車場には車がたくさん見える。あんたは高野山の家にいるの?」「そうだよ」「近いから歩いても行ける。あとで歩いて行く」「今はダメだよ」「分かってる。今、ここは平和でも心の中の満足度はゼロ。誰か来た。ちょっと待っていてね・・・えっ、置いてあった?ありがとう。これ何だったっけ、えーと・・・眼鏡、眼鏡のケースだ。トイレかどこかに置いて来ちゃったんだ。それで、あなたはどこにいるの?」「自宅」「遠いの?」「高野山だから近いよ」「どこだか分からない。どんな風景だった?」「市役所の先を遊歩道に曲がって水の館の前からAさんの家の前を通って坂を登ったところ」「風景が見えない。今行ったら迷っちゃう」「来るときは迎えに行ってやるから心配ないよ」「高野山の私の家なら分かる」「そこが私の家だよ」「私の家をとっちゃったの?」「我孫子に来て二人で建てた家じゃないの」「そうか、自宅って私の家のことだったのか。国際的に蔓延している病気はどうなった?」「コロナウイルスね、世界中に広がっている」「悔しい、今すぐに飛んで帰りたいのに。いつ治まるの?」「分からない」「直ぐ帰りたいよ」「今は感染しないよう外には出られない。八王子にいるAだって会社に行かず自分の家で仕事をしているよ」「手賀沼に行った?」「朝早く、マスクを掛けて遊歩道を歩いて写真を撮ってきた。人が来ると近寄らないようにしてるよ」「直ぐ帰りたい」「今はダメ、そこに泊まっている人は外へ出してもらえないよ。みんな同じだから我慢してね」「分かってるよ」「風邪を引かないようにね。一人だけでいると空想の世界に入っちゃうから、みんなといっしょに広い部屋にも行ってね」「だいじょうぶ。会議か何かでしょっちゅう呼びに来るから」「Oさんに代わって」と頼んで電話を代わる。「はいOです」「毎日同じように家に帰る道の話しばかりです」「みなさん同じですよ」「デイサービスを中止するところもあって大変ですね」「こちらはまだそこまで行っていませんが、細心の注意をしています」と聞いて電話を終わった。200308c.jpg
妻が空想の世界の中で家へ帰ってくる遊歩道