雲間からの淡い光に色鮮やかになったカッパ

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.3.5)
(アルツハイマー)

雲間からの淡い光に色鮮やかになったカッパ。アルツハイマーの妻が散歩する空想の時空、高々と噴水を上げていたかつての姿らしい。200305.jpg

遊歩道を歩けばホオジロの声、小枝の隙間を探して見上げれば天を仰ぎ鳴く姿。200305a.jpg

潜ったカイツブリの波紋を追って待てば、獲物を咥えて浮上したカイツブリ。二度三度咥え直してパッと丸呑み。200305b.jpg



『手賀沼を見て遊歩道を歩きたいよ』 (2020.3.5)
昨日午後、グループホーム寿のOさんから電話、「元気にしています。午前中は体操をやり、ご飯もおいしいと言って食べ、今は部屋でラジオを聞いているようです」と妻の様子を知らせてくれた。電話機を渡しに妻の部屋へ歩く気配、「あれ、眠ってる。お父さんから電話よ」、今度は「もしもし」と妻の声。「今日は参っちゃってる。眠ってしまったよ。昨日から頭がバカになっちゃった。今はどんな天気?」「雨が降ってる」「こっちは朝から雨が降っている。昨日夜から頭が痛くなった」「具合はどう?」「今は頭も冷たくなって痛くない。あんた今どこにいるの?」「家にいる」「どこの?」「我孫子の高野山だよ」「ここはどこ?」「我孫子市寿にあるグループホーム寿」「いまやっとどこにいるか分かった。ちょっとバカになってたのが治ってきたみたい」と、眠りから覚めて、訳がわからなくなっていたらしい妻。
「あんたはどこにいるの」「高野山の自宅」「それ、どこにあるの?」「そこから市役所の前を曲がって、水の館の前を通って坂を登ったところ」「私はずっとそこへ行くことを考えていた。ああ、帰りたい。ここから直ぐ近くだよね」「今はダメだよ。みんな家にいて外に出られないの」「どうして?」「中国から来たコロナウイルスが流行っていて、罹ると高齢者は肺炎になって危険なんだ。そこのホームにウイルスが入り込まないように面会を中止しているし、散歩などで外出することもできないんだ」「コロナウイルスってテレビで言っていた。しばらくはここで足止めってことか?」「そう」「コロナウイルスのせいなのか、いずれ治まる?」「その内に治まる」「いつ?」「それは分からない」「外に出たい」「今は出られない。泣かずに待っててね」「泣かないけど悔しいよ。帰りたいよ。手賀沼を見て遊歩道を歩きたいよ」「みんな同じように大変な時だから、一人だけわがままを言ってはダメだよ」「いやだけど分かった」「また明日電話するから電話を切って」「どうやって切るの?」「スタッフの人に終わりましたと言って返してきて」「じゃぁ事務所に行くよ」
前日とは一転して混乱気味の妻。やはり天気や気圧の変化があったからか、去年の今頃も天気が変わったとき同じようだった。そんなときは水分を取らなくなり、脱水気味になったことを思い出した。水を飲んでいるかが気になる。200305c.jpg