高台への小径を進むと地平線はオレンジ色

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.2.20)
(アルツハイマー)

天気予報は曇天だったが、高台への小径を進むと東から南の地平線はオレンジ色。200220.jpg

高台に立てば、薄雲の向こうに細くなった月が見え隠れ。200220a.jpg

岡発戸の丘の上、雲の隙間の向こうの薄雲の中に日の出。200220b.jpg



『子の神大黒天に長々とお参り』 (2020.2.20)
妻に面会に行った昨日午後、玄関を入るとSさんが出迎えてくれて「散歩や面会が終わってから介護計画の説明をする」と伝えられ、職員さんが妻を探すと自分の部屋の椅子に座って何かしていた。面会票を書いている私を見付けて「来ないかと思ったら来てくれたのね」と言いながら私の荷物を部屋に運び込んだ。
「天気がいいから散歩に行こう」と誘ってコートと帽子を渡したら、「ちょっと待って、お化粧直すから」と鏡台の前に座り込んだ。入居以来、散歩の前にお化粧を直そうとしたのは初めて、頭がすっきりしてきたからか。「久しぶりの散歩ね。嬉しい」と言うから「昨日も行ったよ」と言えば首をかしげ「思い出せないなぁ。まぁいいや。私がここにいてあんたが来るのを待っているのに、あんたが夫だと言うことまで忘れたらつらいな。でも忘れるかもしれないよ。それは最後に忘れることになって欲しいな」と私をからかうような口調で言って笑う。「あんたのお母さんはお父さんが夫だって忘れたよね」と言うと、妻の父の葬儀の日の出来事が話題になった。火葬場でどなたの葬儀か訊ねた母に、幹さんだと名前を言ったら、どちらの方と聞き返し、あなたのご主人だと言われたら、私は結婚していたのかと母が言ったという我が家では語りぐさの出来事。「私も段々といろいろなことを忘れてしまうのは仕方のないことだが、あなたが夫だということは最後まで忘れたくないよ」とまじめな顔に戻って言っていたたが、いずれそんな日が来ることは覚悟している。
暖かい日だから子の神大黒天まで歩いてきた。途中で白梅の花を見て、子の神大黒天のベンチに腰掛けて手賀沼を見た。「向こう岸は我孫子?」とここに来るたび同じことを言った妻。「向こう岸は沼南だよ。見えてるのは柏市の大井新田の辺り」「じゃあこっち岸は?」「若松。直ぐ下にカスミがあって、Ksデンキの赤い看板も見えるでしょ」「そうか、ここに来ると私の頭の中は逆になっちゃう」と、背伸びして下の景色を覗いていた。近所のおばあちゃんだろう、長々と子の神大黒天にお参りしていたのを見て、おばあちゃんのお参りが終わるのを待って妻も長々とお参り。
ホームに戻りSさんから介護計画の説明を受けて、署名捺印した。横で聞いていた妻は時々質問、「ここにいて私にもできることの役割が欲しい」と言った。3時のおやつに誘われ妻は共通スペースのテーブルへ、それを見届けて退出。200220c.jpg