べったりと単色の絵の具を塗ったような曇天の朝

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.2.17)
(アルツハイマー)

べったりと単色の絵の具を塗ったような曇天の朝。200217.jpg

日立研修所の森から飛び立ったカラス二羽、今朝も仲良くネコの木の耳にとまる。200217a.jpg

埋立地浅瀨に眠っていたコブハクチョウ三兄弟。二羽が目覚めて岸伝いに西に行ったのに、遅れて目覚め東へ兄弟を追い掛けた残された一羽。しばらく泳いで気がついたのか、向きを変え慌てて兄弟を追うコブハクチョウ。200217b.jpg



『次々蘇った古い記憶』 (2020.2.17)
小雨が降り出した昨日午後、妻に面会に行くと事務所から顔を出したOさん、「今日はベッドにいるみたい」と。また落ち込んでいるかと部屋に入ったら、私を見た途端泣き顔になる。「お昼ご飯の後に眠っちゃって妄想の世界に行ってたの?」と声を掛けたら「眠ったかどうか憶えていない。窓の外を見ていたら雨が降っていて、ひとりぼっちが淋しかったの」「私だって家にいたらひとりぼっちだよ。ここにいたら一緒に住んでる人はいるし、職員さんもいる。ひとりぼっちじゃないよ」「そうね」と言ってベッドに腰掛けた妻に、「今日はあんたの直ぐ上のN姉さんから電話があったよ」「何だって?」「S姉さんが浜岡の合戸にあるホームに入ってるから、妹のHさんと一緒に見舞いに行ってきたら、物忘れはひどいけど、毎日歩いているから足はまだ元気だっだったと言ってた」「お兄さんはどうしてる?」「S姉さんの面倒は見られないけど、ホームには面会に行って、ひとりで自宅に住んでるそうだ」「あんたは遠いからなかなか来てくれないね」「私の家は高野山だから近いよ。毎日来てるよ」「ああ、あんたは浜岡の家にいるんじゃなかった」と言って眼鏡を掛けカレンダーを見た。「どの日も来たって書いてある」とつぶやいた。
私の父母が住んでいた浜岡の家の話になって、36年ほど前に引き払って認知症になった父と、介護を放棄してしまった母を我孫子に引き取ったことを話すと、当時の記憶を断片的に思い出した妻。「夜は私と交替で面倒見てたね。入れてくれる老人ホームを探したがどこも断られて困ったね」と妻。「最後に江戸川台病院で、認知症の積極的治療はしないが残った人間性を大切にして預かるって先生が言ってくれたときは嬉しかった。どんなに忙しくても面会に行きたいと言う母にも困らせられた。ウイークデーはあんた、休日は私が運転して通ったね」と言うと、次々当時のことを思い出して語り、「私はいいところに入れたね。家から近いし、ここの人はみんな親切、炊事も洗濯も掃除も全部やってくれるし、友だちも来てくれる」と言った。古い記憶が次々と蘇ったのに、前日長女が来てくれたこと、一緒に歌って楽しそうにハモっていたことは全く思い出せなかった。200217c.jpg