上空は晴れだが地平線に沿って厚い雲

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.2.7)
(アルツハイマー)

上空は晴れだが地平線に沿って厚い雲。雲の隙間は細く長く赤い線。200207.jpg

すぐ前の岸からコブハクチョウ二羽が羽半開き、威嚇のポーズで泳ぎ出し、飛び立って対岸目指して逃げた別の二羽。200207a.jpg

日の出は黒い雲の隙間の薄雲の向こう。厚い雲に入れば上下に光芒。200207b.jpg



『「ごめんねは私の方だよ」と妻』 (2020.2.7)
妻に面会に行った昨日午後、係の人に面会票を渡すとドアを開け、ベッドに潜り込んでいた妻に話し掛けたのは、私が来たと伝えたのだろう。手を振った妻に近寄ると「なんで来てくれなかったの。午前中からずっと窓の外を眺めて待っていたのに、詮のバカ。窓に向かって、なんで来てくれないと大声で言おうとしたが恥ずかしいから小さな声で言っていた。入院してるのに誰も来てくれないんだから」「毎日来てたよ。昨日も一昨日も」「知らない。ずっと来なかった」「どうしちゃったの?」「どうしたって、私、入院してるでしょ。入院してたら誰か来るはずなのに」「入院なんかしてない。ここは病院じゃなくてグループホーム寿だよ。みんな向こうのテーブルで楽しそうに話しているよ。一緒に話をしないの?」「話すことなんかない。どうして私はここにいるの?」「私もあんたも年を取って、いろいろ出来ないことが増えてきた。あんたの体調が急に悪くなっても私一人じゃ病院にも連れて行けない。私が病院に行ったり入院したときあんた一人残しては行けない。あんたとここを見学してここならいいとあんたも気に入って、自分で申込書に名前を書いたところだよ。入れることになって、家から近いところでよかったって喜んだね」といきさつを話すと、やっと現実の世界に戻ってきた様子。カレンダーを見せると、「来てたんだね。どこにも来たって書いてある」と言ってノートを手にとって書き始めた。『私は入院しているものと思い込んで、詮に大声で的外れなことを言ったのだと分かった。自分が自分に唖然としている。ごめんなさい。言ってしまったことは取り返せないが、何が何だか分からずに涙が出る』とまだまだ続いた意味不明な文章。
「一緒に家で暮らせなくなってごめんね」と言えば、「ごめんねは私の方だよ」と妻。係の人がポカリスエットで味付けした水を持って来てくれたら「おいしい」と言って飲み、ノートを私に差し出した。最近忘れた漢字が目立ち始め、誤字脱落が多いメモだった。買い物があるからと退出したが、苦しんでいる妻を見て私自身も暗い気持ち。200207c.jpg