対岸に沿って延びる細く長い赤い線

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.2.21)
(アルツハイマー)

上空は青空になったが地平線に沿って高くまで厚い雲。地平線と雲の間が赤く染まり、対岸に沿って延びる細く長い赤い線。200221.jpg

幻灯の絵のように、雲の隙間に浮かび上がるようなニュータウンのビル。200221a.jpg

どんどん晴れるかと思ったら上空に湧き出してきた雲。早々に帰路につけば途中で出会った散歩中の友。200221b.jpg




『歌は全部覚えていて忘れずに歌えるよ』 (2020.2.21)
いつもより10分ほど早く妻に面会に行った昨日午後、さてどんな具合かとそっとドアを開けると、鏡台の椅子に座ってノートを読んでいた。私に気付くと急に泣き顔になり、「寂しかった」と言って立ち上がる。「おやおや泣いてるの、泣き顔のお出迎えは嬉しくないね」と言えば「待っていてもなかなか来てくれないし、ひとりで部屋にいて何にもやることがないでしょ。泣くことしかやることがないじゃないの」と言ってからやっと笑顔が戻って来た。「窓から外を見ていたらだんだん曇ってきて寒そうだし、散歩にも行きたくなくなった」と寒さに弱い妻。
CDラジオで日本の歌を再生すると、「いつも同じ曲から始まって同じ曲が続くから時々変わった方がいい」とのリクエスト。二枚組のもう一枚のCDを再生すると、目を瞑って手でリズムを取りながら歌い出した。曲の間に「目を瞑って歌っていると景色が見えてくる。いつかこの歌を歌った場所を歩いているようだ。いまは若松の商店が並んでいる辺りだった」と言った。次を歌ったら手賀沼公園が見えてきて、そのうち「柏の景色になった」と。目を瞑っていても悲しい歌には悲しそうな表情、楽しい歌には嬉しそうな顔。「歌って不思議だな、色んなことを忘れても歌を歌えば独りでに出てくる。歌は全部覚えていて忘れずに歌えるよ」と得意げに言うが、歌の記憶を思い出すインデックスは他の日常生活の記憶とは違うのだろうか。半年ほど前迄はノートにメモするときなど「漢字は忘れないね、すっと出て来る」と言っていたが、最近は書けなくなった文字が増えて来たように感じる。歌を歌うのが大好き、歌っていると生き生きした表情になる妻、いつまで歌を忘れずに楽しめるだろうかと気になる。
おやつの時間が近づいて廊下を歩く人の音、「さあ、帰る時間だ。また来るよ」と言ったら妻が自分でCDラジオの電源を切った。「いろいろいじっていたら鳴らすこともできたよ」と電源ボタンを押し、手当たり次第にボタンを押したらラジオの放送が鳴りだした。職員さんに「おやつですよ」と言われたが、玄関まで私を見送りに来てくれた妻。200221c.jpg

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