日曜日なのに車の行き来が多い下の道

撮影ノート『手賀沼有情』 (2020.1.26)
(アルツハイマー)

雨だからラジオ体操する人も写真を撮る人も来ず、たった一人の桃山公園の高台。日曜日なのに車の行き来が多い下の道。200126.jpg

やっと明るくなった沼。べったりと濃淡のない雲が空一面を覆っていた。200126a.jpg

広場の街灯の近く、いっぱい実をつけていたマユミの木。ススキを掻き分けて入ってきた19年ほど前にまだ小さかったマユミの木が生えていた。公園になっても刈り取られないで生き残り、今では大きな木になった。200126b.jpg


『空想の世界の事だって嘘じゃない』
3時のおやつの時間の後に面会に行った昨日午後、まだみんなテーブルの前に座っていて係の人の話を聞いていた。面会票を提出に行くと私を見付けた妻、席を立って私を自分の部屋へ連れて行き、「ちょっと待っててね。夫が来たから部屋へ帰るって言ってくる」と言って出掛け、しばらくして戻って来た。「まだお話があったんじゃないの?」「もう食べ終わったの。ここじゃ会話のできない人ばかりでコミュニケションがないの。面倒見てくれる人は優しくて親切だけど、みんなにコミュニケーションをとらせるのじゃなくてお話をしてくれるだけ」「あんたは何にも言わなかったの」「うけるようなことを言ったかもしれないが憶えていない」「今日は何したの?」と問えば「ここにいると、嫌だなぁとしかめっ面するようなことがないのはいいけど暇だ」「風邪、つらくない?」「ここにいていいのはいつも体調を見てくれるから安心だ」「暇すぎない?」「暇なときは寝ている。気楽だよ。今日は手賀沼に行ってきた」「空想の世界のことかい?」と言ったら、延々と空想の世界のことを語り始めた。
「ここにいて何にもしないでいると退屈だから頭の中で散歩をするよ。今日も手賀沼に散歩に行った。家を出てタビヤの前のバス停の所までは行かれてやれやれと思って、そこから引き返して神社へ行く道を途中で曲がって、赤坂さんの家の前を通って水の館の方には行かないで、細い道を手賀沼の方へ行った。遊歩道を歩いてもこのごろは知っている人には出会わない。誰かがじっと立っていて、人を待ってるのかなと思った。帰りには公園へ階段を上って、手賀沼を眺めてから家に帰ってきた。ああ、ちゃんと行ってこられたなと思った。そうすると行ってきたなと思えるようになる。人間は考えなしでは生きて行けない。だから、一人でいても頭の中で散歩できるから退屈じゃない。空想の世界の事だって嘘じゃない。今までその場所でいっぱい経験があって、その思い出を辿って頭の中で散歩してきたからそれは新しい出来事になる。それを今日の出来事だと思って話すと嘘みたいだけど、実際にはなかったことでも、経験したことを思い出したり、つなげたりして頭の中に思い浮かべて歩いてるからるから嘘じゃない。それをあなたが聞いてくれると、今日はこういうことがあったという喜びになる」と、何度も立ち止まって思い出しているようにぽつりぽつりと語った。
私が妻のおしゃべりをノートにメモしていると覗き込んで、「何か言っても直ぐ忘れちゃうから、言ったことを書いておいてくれると後で読み返すこともできるし、子どもたちが来て読んだらお母さんはどんな生活をしていたか分かるじゃない」と言ってノートを受け取った。200126c.jpg

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