強く降り出した雨に見る見る霞む対岸

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.11)
(アルツハイマー)

ポツリポツリと雨が降る暗い早朝、やっと明るくなってきたら、強く降り出した雨に見る見る霞む対岸。191111.jpg

沼の向こうから渡って来た雨、岡発戸新田の岸辺りから飛び立って埋立地の杭に集まり始めたサギ。191111a.jpg

ハス群生地が白く霞み、間もなくケヤキの木も雨の中。高台にもザアと来た通り雨。191111b.jpg


『「おい」と声を掛けたら私を見付け手を振った』 (2019.11.11)
妻の様子を見に行った昨日早朝、前日の日刊スポーツを広げて読んでいた妻。土日だけサービスに配達されるスポーツ紙を妻が読むのは珍しく、「どうしたの、スポーツ新聞なんか見て」「読みたい記事があって昨日持って来たけど読んでなかったから」と顔も上げずに返事。昨夜用意してあった水がだいぶ残っていた。なんとカップの代わりに小さなメジャーカップが水差しの横に置いてあった。「これで飲んだの?」「これだって水を飲めるからいいじゃないの」と。
桃山公園は撮影に行こうとしたら玄関の内側で妻が見送り、歩いて公園に向かえば二階の雨戸を開けて手を振っていた。撮影を終わって帰宅したら、雨戸を開けていた妻、「おい」と声を掛けたら私を見付け手を振った。なぜか朝からハイになっていて、「いろんなことが出来るし、いろんなことが分かる」と言っていた。
朝食の支度を始めると一緒にやろうとするが、何をやったいいか分からない様子。私が冷蔵庫から取り出して妻に手渡したら、食卓に運んで並べたり盛りつけたりする。朝食が終わったら洗濯。妻が集めてきた洗濯物のポケットをチェックし、洗濯機を始動したら後は妻に任せる。洗ったものが多くて重ければ階段を上ってベランダの前まで運ぶのを手伝う。干したものを取り込んで畳んだら、どこへ収納するか見ていないとあとで探すのに一苦労する。食後の食器洗いも手際よくやってくれるが問題は収納場所がその都度変わること。目につき易い場所に空きスペースを作っておけば、そこに誘導できることも分かってきた。9月に16日間入院して帰ってきたときは一気に出来ないことが増えたと思ったが、作業を分解しどこが出来ないか、戸惑うかを見て手伝うか声を掛けるようにしたらやってもらえる仕事が急に広がった。自分でやった方が早いし楽でもじっと眺めているのは、私にとって仕事を分解し妻に出来る仕事をつくるヒントを見付ける場にもなる。191111c.jpg

朝焼けにはなりそうになく日の出も遅そうな朝

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.10)
(アルツハイマー)

東の地平線高くまで雲、朝焼けにはなりそうになく日の出も遅そうな朝。191110.jpg

日の出前の地平線の空を映した水面、コブハクチョウの子ども5羽が低く飛ぶ。191110a.jpg

薄雲をオレンジ色に染めて遅い日の出。手賀川に通っていた頃一緒に撮っていたSさんも来たが、撮るものが少ない朝だった。191110b.jpg


『もう起きているかと思えばベッドで二度寝』 (2019.11.10)
昨日早朝、近所の公園へ撮影に行く前に妻の様子を覗くと、もう目が覚めて灯りが点いていた。水はしっかり飲んでコップ一杯分残っていた。「今日はRセンターに行く日だよ」と言うと、「Rって南山?」「田舎じゃないよ、ここは我孫子だよ」「そうか、我孫子か。NECの横を通って土手を走ると川の傍のビルか」とRの場所を思い出す。直前まで妄想の中でふる里にいたようだ。
撮影から戻ると雨戸が開けられていて、もう起きているかと思えばベッドで二度寝。「Rに行く日だから起きて」と言ったら目を覚まし「Rには行きたくない。雨戸を開けたら寒くなった。もっと寝ていたい」「起きないと迎えの車が来ちゃうよ」「いやだ、起きたくない」と言いながらももぞもぞと起き上がった。
台所で朝食の支度をしていたら起きてきた妻、インスタント味噌汁に湯を注ぎ、カップに牛乳と豆乳を入れた。使ったカップはでたらめ、カップが違うよ」と言えば「どれを使えばいいかわからないもの」と言い訳。私の席には牛乳と豆乳両方が置いてある。「どっちを飲みたいか分からないから両方出しておいた」のだそうな。二度寝してからやることがめちゃくちゃ、週末になって疲れが出たのだろうか。「頭の中がガンガンしていて何をしたらいいか分からない」と妻は言った。
9時過ぎ、Rから10分後に迎えに来ると電話、3分も経つと待ちきれず玄関前に出て迎車を待つ。遠くに車が見えたら「来た。行ってくるからね」と元気よく車が止まる場所へ小走り、車が止まる前から車に向かってお辞儀。ドアが開いて係の人が降りてきたら荷物を渡し、支えられるようにして車に乗り込む。見送ったら戻って来るまで解放される。今日こそはたまった仕事を片付けようと張り切って家の中に入った。191110c.jpg

高台に立てばいつまでも暗い曇天の上空

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.9)
(アルツハイマー)

天気予報は晴れだったのに、高台に立てばいつまでも暗い曇天の上空。地上の灯りが雲を染め、沼に映って明るい水面。191109.jpg

雲の隙間から沼にこぼれ落ちる朝の光、灰色の濃淡に染まった水面に小舟のシルエットが浮かぶ。191109a.jpg

もう帰ろうとしたとき雲間に遅い日の出。雲の下に差し込んだ朝日に瞬時に輝いた雲。191109b.jpg


『お金があればいいところがいっぱいあるね』 (2019.11.9)
昨日早朝、妻の様子を見に行ったら、灯りを点けベッドに座って新聞を眺めていた。覗けば6日の新聞、「その新聞、古い新聞じゃないの?」と言えば、「古くたっていいの。これ、まだ読んでなかったから。今日は何日?」「11月8日」「そうか」と言いながら新聞の日付を見た。「だけど、読んでないものが残ってると世の中の動きから遅れちゃう」と言ったが、この新聞は前日もデイサービスから帰宅して読んでいたものだ。夜飲んだ水の残量を確認していると、「ちゃんと飲んだよ。今朝は頭がすっきりしている」と言う。水は朝食前までに飲むコップ一杯分が残っていた。
昼食前に、私が始動しておいた洗濯機から洗濯物を取り出して、二階のベランダに干していた妻。昼食にうどんを作ろうと用意して、少しパソコンの前でメールを読んで戻ると、妻が冷凍の焼きおにぎりを電子レンジで解凍していた。電子レンジが空いたら半熟の玉子もつくってささやかな昼食。「今日はどこにも行かないから私が支度したの。洗濯もしたし、いろんなことが出来るようになって嬉しい」と妻。食べ終わったらテレビの前に座り込んで新聞を読み始めた。広げていた紙面のタイトルは『介護の悩み・不安 失敗しない終の住処の選び方』だった。「お金があればいいところがいっぱいあるね」とぽつりと言った。どんなところに入ることを頭に描いていたのだろうか。191109c.jpg

突然オレンジ色に雲が染まった日の出直前

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.8)
(アルツハイマー)

地平線に雲、朝焼けはなさそうだと思ったが、突然オレンジ色に雲が染まった日の出直前。191108.jpg

遅い日の出とともに沼を横切る二人乗りのボート。朝日に染まる水面に波紋を残して。191108a.jpg

ボートの波が岸に押し寄せてきた頃、沼を西に向かう母さんと子ども五羽のコブハクチョウ。岸から出た子ども一羽も親子の列に加わった。191108b.jpg


『妻は荷物を手渡し慌てて車に乗り込んだ』 (2019.11.8)
昨日早朝、妻の様子を見に行くと予定表を眺めていて、「今日はRへ行く日だよね?」「そうだよ、木曜日だから」「昨夜早く寝たから早く目が覚めて、Rへ行く支度をしようとしてたの」といいながらカレンダーを見る。「今日は何日?」「7日だよ」と答えるとカレンダーの7日に○をつけた。
朝食が済んで出掛ける支度をしていた妻、テレビの前で居眠りをしていた私に「今日はどこへ行くんだった?」「Rだよ」「どこにある?」「利根川の横にあるビル」「そこから山の方に行けばR?」「そっちはW園」「分かった、川の横がR、そこから田んぼの中を山の方行けばR」と、同じことを何度か繰り返しやっと正解。「もう一度言うとまた間違えちゃうからもうやめた」と妻。二つの施設のイメージは頭の中に別々なところとして記憶されているが、名前を言おうとするとどちらもRになってしまうだけだと。妻の言葉を聞いた私には、RとWがごちゃ混ぜになっているように感じるが、妻は、川の横は日帰りでリハビリに行くところ、山側にあるのは泊まりに行くところと区別して認識していると言う。Rと妻が言ったとき、どちらの施設かよく確認して話さないと混乱が次の混乱を呼ぶことになる。何とも悩ましいことよ。
10分後に迎えに来るとRから電話が来たら、待ちきれず玄関の前の道路脇に出て待っていた妻。数分ごとに「あと何分?」と私に確認し、「電話しなくても来てくれるかな」と心配顔。迎えの車が到着して係の人が降りてきたら、妻は荷物を手渡し慌てて車に乗り込んだ。「行ってらっしゃい」と言っても振り向きもしないで。191108c.jpg

来ているはずがないのに来ていそうな気がして

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.7)
(アルツハイマー)

10月30日から姿を見せなかったMさんが、来ているはずがないのに来ていそうな気がして、いつもより早く出掛けた桃山公園のゼロポイント。191107.jpg

いつもと変わらない日の出なのに淋しくてたまらない手賀沼風景。見る方向、見る場所にMさんと撮り歩いた日々の思い出が蘇る。191107a.jpg

昨夜Mさんの友だちからMさんが亡くなったと電話があった。手賀沼を撮り始めて1000日以上、毎朝一緒に撮って、手賀沼のことを教えてもらった。ここ十数年一緒に撮ったことはなかったが、10月13日から手賀川撮影を休んで近所の桃山公園へ撮りに行ったらMさんが来ていた。10月29日まで一緒に撮ったが、それ以降姿を見せなかった。自宅に電話もなく、携帯も持っていなかったMさん、手紙以外に連絡の方法もなく気になっていたところ昨夜の訃報。再会から別れまで、撮っていたMさんは全て背中側、ファインダーの中には笑顔を見せてくれていたのに。ただただ涙、ご冥福を祈ります。191107b.jpg191107c.jpg


『昔の景色の記憶がどんどん出て来る』 (2019.11.7)
昨日朝、妻の様子を見に行くと「あなたと結婚することになったときのことを思い出していた。斉藤先生が来いと言うから先生の家に行ったらあなたが来た。先生が私を呼ばなきゃこんなボケた奥さんで苦労しなかったろうに、ごめんね」と言う。突然なんだ。ふと水差しを見れば、夜飲む水は夕食後に薬を飲んでから減っていなかった。コップ一杯の水を差し出すと「喉が渇かなかったんだもの」といいながら水を飲んだ。水を飲み忘れたときはいつも飲みたいと思わなかった、喉は渇かなかったと言う妻。
雨戸を開けながら、「さっきから小学校に通った頃の道を思い出していた。家を出て橋を渡ってまっすぐ行けば小学校、左に曲がったら中学校。誰もいないときに橋に腰掛けて流れを眺めたことがあった。田んぼ中の道や周りの景色、そんなことの記憶が頭の中に残っているのに、今は何も出来なくなったし、忘れてばかりいる。今行ったら小学校はなくなっているけど、昔の景色の記憶がどんどん出て来る。懐かしくなって涙が出た来る」と呟いた。居間に戻ってきても泣きそうな顔、テレビで動物のおもしろい姿を見たら笑いだし、泣き顔が消えた。
水を飲み足りないとぼんやりして、妄想の世界に入り込みやすいように感じた朝食前。時間とともに活発になり、食器を洗い、洗濯を始めた。洗濯機の始動の時に押すボタンを私が指さすだけで洗濯が出来た。夕方洗濯物を取り込んでたたみ終わったら、「もう大丈夫、頭がすっきりしてきたから今日は全部自分一人で洗濯も出来た」と言って私のものを持って来てくれた。191107d.jpg

釣堀前の桟橋から漕ぎ出した小舟

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.6)
(アルツハイマー)

釣堀前の桟橋から漕ぎ出した小舟、まだ仄暗い水面を船外機付きのボートに向かう。191106.jpg

日の出とともに出発したボートに二人の人影、日の出が映って染まる水面を横切るボート。191106a.jpg

沼を横切り、対岸沿いに西へ向かい、朝日に染まったケヤキの陰から出て来たボート。191106b.jpg


『ベッドの片側に衣類を分類し積んでいたいた妻』 (2019.11.6)
朝の撮影から戻った昨日朝、もう雨戸は開けてあり、ベッドの片側に衣類を分類し積んでいたいた妻。デイサービスに出掛けるのに早く支度ができるようにするのだと、妻なりに考えた改善。クローゼットの前には使いそうな上着が掛けてある。二週間ほど前に長女が来て、季節の変化に合わせて準備してくれたのを変えてしまったのだろうか。
Rセンターの迎えの車を待っていた妻、ウインカーを出して近寄ってくる車を見て「あっ、来た。いつもの車と違う」と言った。いつも迎えの車が止まる場所に止まったのは風呂のガス釜交換工事に来た車、物見高い妻は荷物を玄関において来て新しい給湯器の開梱を覗き込んでいた。迎えの車が工事の車の前に止まったのに気付かない妻、「迎えの車が来たよ」と声を掛けたら慌てて手ぶらのまま迎えの車に乗ろうとする。荷物を持って、「おい、荷物」と声を掛けても気付かない。迎えの人が妻を押し止め、工事の人が「あっち、あっち」と私を指さす。迎えの人が玄関の鍵を入れた袋と手提げ袋を受け取って通い袋を回収、座席に着いた妻にシートベルトを着用させる。迎えの人から、「奥様が月一回の書道のクラブに入りたいと申し込まれました。費用は100円ですがいかがいたしましょうか?」「やりたいことはやらせて下さい」とお願いし、妻を乗せた車を見送った。
デイサービスから帰宅して、疲れたと言ってテレビの前で眠ってからぼんやりしていた妻。夕食の支度中の私に気付いて手伝いに来たが、「何をしたらいいか分からなくなったと」と白飯の代わりにおかずを電子レンジでチン、漬け物が半煮えの漬け物になってしまった。食事中に段々笑顔が戻り、会話がかみ合うようになってきた。191106c.jpg

東の空がオレンジ色に染まり地平線に僅かに雲

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.5)
(アルツハイマー)

快晴の朝。東の空がオレンジ色に染まり地平線に僅かに雲。191105.jpg

桟橋から日の出前の空を映した水面に漕ぎ出した小舟。影絵のようにモーターボートに乗り移り出漁の支度をする人。191105a.jpg

日の出とともに沼へ滑り出した二人乗りのボート。沼に広がる波紋を待っていたら、沼を横切りいつもより対岸寄りの進路。191105b.jpg


『干し終わるのを待って遅くなった昼食』 (2019.11.5)
昨日早朝、妻の様子を見に行けばコップ3杯分ほど飲み残していた水。「水は飲んじゃったよ」という妻に黙って水差しを見せる。とりあえずコップ一杯飲ませたが、何となくハプニングがありそうな予感。
ここ数日、水をよく飲んで調子がよかったがハイになって動きすぎ、ちょっと疲れてきたかミスが目立つ。朝食前に始動した洗濯機が止まったら、干そうとして二階のベランダ近くまで運んだ妻。庭の樹木の定期管理を依頼していた業者が秋の施肥に来たら、その作業に見とれて干すのを忘れ、居間に戻って新聞を眺めていた。昼食前に、「洗濯物干した?」と声を掛けたら、「干したよ」と返事。心配になったのか二階へ行った妻、「まだ干してなかった」と大きな声。干し終わるのを待って遅くなった昼食。
デイサービスに行かないときは出来るだけ妻に支度をしてもらうが、何を用意するか決められない妻に代わって冷蔵庫から冷凍食品を出して手渡す。電子レンジに入れてから、「何分だったか忘れた」と振り向く妻に加熱時間を伝える。時々レンジとオーブンのボタンを押し間違えるので後ろからじっと眺めている私。「さあ出来たよ。食べて」と妻。自分で全部支度できた気分になってご機嫌がいい。仕事を分解して、出来ることを妻にやらせることにしたが、自分で全部やる方が早いし楽。じっと我慢するのは私に与えられた修行と思うことにした。
食事が終わるとテレビの前に横になった妻、「眠っちゃダメだよ、夜に眠れなくなる」「大丈夫、ちょっと休むだけ」とのやりとりから間もなく眠ってしまった妻。
目覚めてから妄想を始めなかったのは調子がいいからか。「桃山公園に行って手賀沼を眺めてくる」と言って出掛けたが、ココセコムのGPS端末を持たせるようになってから気が楽になった。191105c.jpg

釣堀前から泳いできたコブハクチョウ親子

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.4)
(アルツハイマー)

東の地平線に厚い雲があって朝焼けも日の出も期待でそうにない朝。岡発戸の釣堀前から泳いできたコブハクチョウ親子、父さん母さんと子ども6羽の家族全員。191104.jpg

地平線の厚い雲の上がオレンジに染まり、やがて雲の上に眩しい日の出。191104a.jpg

水面に映った太陽の中にシルエットになった小舟。191104b.jpg


『元気になってくれたのは嬉しいが』 (2019.11.4)
昨日早朝、桃山公園に出掛ける前に妻の様子を覗く。「今日は何処か行くところがあった?」「出掛ける予定はないよ」「今日は何曜日?」「日曜日」「そうか、掃除と洗濯をしなくっちゃ」とまともな会話。撮影から戻るとテレビをつけたまま二度寝。目が覚めたが妄想の世界には入っていない。
午前中は洗濯も掃除も忘れ、カーペットの暖房の上で大学駅伝のテレビ観戦、「みんながただ走っているだけなのに目が離せないね」と妻。ここで昼寝したら脱水症状が心配でコップ一杯リンゴ風味の黒酢を水で割って飲ませる。午後になったら天気予報を見て「夕方は雨だって、洗濯と掃除は明日やる」と言ってテレビの前で昼寝。水のコントロールがうまくいったのか元気いっぱいやる気満々。ちょっと目を離した間に頂き物の生椎茸を洗って切ってある。水を張った鍋がガスコンロの上、炒め物もするとフライパンを探している。食品を何度も炭にし焦げ付かせるから、ガスコンロは故障したことにして点火用の電池を抜いたのは二年半以上前。「ガス、故障していていて使えないけど」と言ったら、「じゃあ電子レンジでやる」と言ったまま手が止まって「何を作ったらいいか分からなくなった」と妻。思い出したのは単身赴任時代の酒盛り、切った椎茸をどんぶりに入れオリーブオイルとめんつゆを掛けて味付け。ラップを掛けて電子レンジでチン。これで3日ほどは食べられることは何度か経験済み。
夕食後、夜間飲ませる水と翌日分の薬を用意し、妻の背中にリバスタッチパッチを貼って寝ようとしたらハプニング。不要になったものを資源ゴミに出そうと物置の棚から下ろしてまとめておいたら、いつの間にか空きスペースを見付けてあちこちに押し込んである。妄想の世界にも入り込まず元気になってくれたと思ったら、張り切って私の仕事をつくってくれる。元気になってくれたのは嬉しいが、元気になったらまた別の悩み。191104c.jpg

遠く東に広がり始めた薄雲の空

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.3)
(アルツハイマー)

上空の黒い雲が流れて、遠く東に広がり始めた薄雲の空。もしかして朝焼けになるかと期待。191103.jpg

日の出が近くなるとピンクに染まり始めた遠くの雲。じわーっと染まりスーッと色褪せた瞬時の朝焼け。191103a.jpg

やがて岡発戸の丘の上に雲間から抜け出した太陽。カメラにも目にも眩しすぎた日の出。191103b.jpg



『妻に代わって係の人が「行ってきます」』 (2019.11.3)
昨日早朝、撮影に出掛ける前に妻の様子を覗くと、「水は全部飲んだよ」と言うとおり水差しは空だった。「今日は土曜日、Rセンターに行く日だよ」と言うと「分かってる」と返事。撮影から戻ると、ベッドに横になったままテレビを見ていて二度寝していた妻。物音に目が覚めたから、「今日はRへ行く日だよ」と言えば、「R?、Rってどこ?」「NECの横を通って利根川の・・・」まで言ったら、「分かった。頭の中の地図とつながった。今日はRへ行くよ」と、水をよく飲んでくれたからか物わかりがいい。
いつもより10分も早くRからの迎えの予告電話、妻の支度の状況を見に行けば夏のズボンをはいている。「今朝は寒いよ、そのズボンで大丈夫?」「大丈夫、暖かいじゃないの」「暖房が入っているからだよ、外は寒かったよ」言ったら、「今は何月?」「11月になったよ。早くはきかえて、迎えの車が来るよ」と裏地の付いたズボンを差し出す。玄関前に迎車が到着し2~3分待ってもらう間に、迎えに来てくれた方に玄関の鍵と昼の薬やデイケア連絡帳を入れた通い袋を渡す。慌てて階段を降りてきた妻が、「鍵と薬は?」と言ったら係の人が「ここに持ってます」と妻に見せた。荷物を係の方に持ってもらい慌てて車に近寄る妻。「行ってらっしゃい」と言っても振り向いたり手を振ることもなく車に乗り込み、妻に代わって係の人が「行ってきます」と言ってドアを閉めた。水をきちっと飲んだからか、妄想の世界に入り込むこともなく、物わかりのいい妻になってデイサービスに出掛けた。本のタイトルの効果抜群?191103c.jpg

東の地平線に雲があるだけ

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.2)
(アルツハイマー)

東の地平線に雲があるだけ、上空には雲一つない快晴。191102.jpg

岡発戸新田の釣堀前から今朝も出てきた二人乗りのボート。朝日を浴びて色づいたケヤキの陰から出てきて手賀大橋の方に消えた。191102a.jpg

撮影からの帰り道、我が家の屋根から飛んできたスズメ2羽。隣のアパートへの光ケーブル引き込み線に止まってこっちを見ていた。191102b.jpg


『水は薬なんだ、忘れないように飲まなくちゃ』 (2019.11.02)
昨日朝、「水は薬だものね」と言いながら水差しとコップを持って階段を下りてきた妻。昨夜1リットルほど用意した水がコップ一杯ほど残っていたら、コップに注いで立ったまま飲んだ。一昨日夕方届いた本「水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない」のタイトルだけを見て、「水は薬なんだ、忘れないように飲まなくちゃ」と言って本を手に取った。開きもしないで薬局から不足分の薬を送ってきたレターパックの上に置いた。毎夜、夕食後から朝食前までに1リットルの水を飲ませるようにしているが、水道水やペットボトルの水では残すことが多かったので、水800ccにポカリスエット200ccを混ぜて飲ませてみたら、水よりは飲みやすいと飲むようになった。時々迷い込む妄想の世界も、夜間の水摂取を忘れたときに多いようだ。本のタイトルを見ただけで本を薬と一緒におこうとするくらいなら、本の写真を寝室の目につきやすい場所に貼っておいたら効果があるかと思って写真を撮った。
朝食前に私が洗濯機を始動しておき、朝食後に洗い上がったものを籠に取りだしておいたら、「私が干す」と言ってベランダに干し始めた。竿を掛けるのに苦労していたので、「手伝おうか」と言うと「私の仕事を取らないで。洗濯できたことが嬉しいのだから」と、全部自分で洗濯が出来たつもりになっている。朝夕に雨戸の開閉、食器洗い、果物の皮むき、私にコーヒーを入れてくれることは自分の仕事だと思っている妻。これらの仕事には出来るだけ手出ししないで、遅くても少しくらい間違っても見て見ぬ振りをすることにしている。せっかちな私にはこれが結構難行。191102c.jpg191102d.jpg

岡発戸の丘の上から霧の中に日の出

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.11.1)
(アルツハイマー)

日の出が近くなるとどこからともなく湧いてきた霧。対岸の岸や丘の稜線が消えた頃、岡発戸の丘の上から霧の中に日の出。191101.jpg

岡発戸新田の岸辺から沼の真ん中へ泳ぎだしたコブハクチョウ5羽。飛ぶかもしれないと待っていたら、1羽が羽ばたき助走、追い掛けるように仲間たちも助走。191101a.jpg

飛び立って沼を低く旋回した5羽。また飛び立ったあたりに戻って次々着水。191101b.jpg


『「行ってくるね」と鍵袋を握った手を振った妻』 (2019.11.01)
昨日早朝、妻の様子を見に行くと寝ぼけ眼で、「ここはどこ?」「我孫子の自宅だよ」「何にも分からなくなっちゃった。我孫子の高野山?」「そうだよ。今日はRセンターに行く日だよ」「Rってなに?」、ちょっとびっくりしたが、「デイサービスに行くところ。火木土に行ってるでしょ」「Rってどこだった?」「NECの横を通って利根川の土手をどんどん行くと土手の下にあるアーチ型の建物」「なんで私が行くの?」「体の機能が低下しないようにリハビリに行くんだ」「段々頭の中に地図が見えてきた。そこから山の方に行ったところに行ってきた。私の部屋は1号室」「そこはW園だよ。Rは手前の利根川の土手の下」「やっと自分の地図とつながった。だけどなんで私が行かなきゃいけないの?」と延々続く質問に、「いつものように、今日はRにゆく日なんだ」と言えば、「なぜ行くのか分からないけど、行ってみんなの様子を見てその場に合わせていればいいのね」とちょっと投げやりな言い方。もうRのことも、なぜ行くかも思い出していたが、直ぐに分かったとは言えない妻の意地っ張りな面が見え見え。
撮影から戻って妻の様子を見に行けば、少し残してあった夜用の水は飲み干してあり、Rへ何を着て行くか決めかねていた。もう何のためにRに行くのかという質問はしなくなっていた。目覚めてしばらくぼんやりしていても、時間がたてば自分の居場所が分かり、いろいろなことを思い出すようになるのかもしれない。
Rからの迎えの車が右から来るか左から来るか覗いていたが、「来たよ」と言って私を振り返り「行ってくるね」と鍵袋を握った手を振った妻。今朝の目覚めの頃が嘘のように、物わかりもよく明るくなって迎えの車に乗り込んだ。191101c.jpg