高台から眺めれば沼上空にはまだ黒い雲

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.9.09)
(アルツハイマー)

雨が上がって自宅近くの桃山公園を歩いた。高台から眺めれば沼上空にはまだ黒い雲。足元にはちぎれ飛んだ木の葉が散乱し、小径の脇には何本もの木が倒れていた。190909.jpg

斜面林への立ち入り禁止の綱にノシメトンボが止まっていた。じっと同じ姿勢で動こうともせずに。190909a.jpg

自宅への帰路、道端の花から花へヤマトシジミが一匹。どこに隠れていたのか昨夜の暴風雨の中。190909b.jpg

『ここはどこ?』(2019.9.9)
長女が子どものころの食事時、どの器も少しずつ順繰りに食べるように注意していた妻だが、アルツハイマーだと分かってしばらくして気付くと器一つずつ食べるようになっていた。昨日午後、病室を覗いたのは昼食中、他の器は食べ終えて最後に残った煮物を食べていた。そのことを長女に話したら、「お母さんももしかしたら、子ども時代は一皿ずつ派だったのかもね」と。段々子ども時代の習性に戻って行くのだろうか。
「今日は何を考えていた?」と訊ねたらノートを差し出した。『9/8 日 3階から見る限り、くもり時々晴。でも大きな雲がにょきにょきわいている。天気も自由に変わるなり。ここからどうして高の山まで行くことができるか? まだ確かでない。ここはどこ? 356の柏へ出るとことろかしら? 天気がよくなって来たようだが、この所はっきりする日が少ない様だ。これは公子が病院の窓からま上の天気で判断するだけだからたしかとはいえない。この病院の前の道を下へ下ると柏の手賀沼サイド? 上へ自動車がのぼって出る道は柏への国道かしら? あっちこっちへの道を走り回った道の一部だと思うが不たしかなり。下への感かくがわからない』と書いてあった。
一昨日はこの病院は自宅近く、船取線の市役所と消防署の間にあって自宅への道も分かっていたが、病院がどこにあるか分からなくなって混乱しているらしい。救急車に乗って来たことも、息ができない程の腹痛だったことも思い出せなくなっている。
妻がぽつりと言った。「一人で遠くに行ったら、どこにいるのか分からなくなって帰れなくなっちゃうね」と。190909c.jpg

この記事へのコメント

大北 寛
2019年09月10日 03:13
今村さんご夫妻の物語を読んで、韓国のドキュメンタリー 映画 《あなた その川をわたらないで》を思い起こしました。
お二人の思いが伝わってきます。