曇天の空は微かに赤く水道橋の灯りが鮮やか

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.9.1)
(アルツハイマー)

目覚まし時計も携帯のアラームもOFFにして寝たのに、いつもの時間に目覚めちょっとだけのつもりでいつもの手賀川へ。曇天の空は微かに赤く水道橋の灯りが鮮やか。190901.jpg

お兄さんが着いたのを察知したビッグ親子が動き出した。父さん、母さん七羽の子どもたちは元気にお兄さんから餌を貰う。190901a.jpg

ラッキー親子が餌を貰っていたら、飛来してヒメガマの脇に降りたアオサギ。他のことで心が乱され、レンズの向こうにアオサギを見ても感動を覚えない。「早く帰って少し眠ろう」と呟いて早々に帰路へ。190901b.jpg

『入院していることも忘れたアルツハイマーの妻』
薄霧の掛かった手賀沼を眺め、昨夜の出来事を反芻した。
昨日午後、面会に行ったときは喜んでくれ、メモ帳に「詮が来て嬉しかった」と書き込んでいた。私の体調を気にし「早く帰って。やることがいっぱいあるでしょ」と言った。帰りがけ握手すると、両手で強く握ってきた。帰るまでにもう二度も。
夜9時20分ころ入院先病院から電話「奥さんがパニックになって、お父さんが帰って来ない。中国の出張から帰ってくると言ったのにと言っていて、点滴は自分で引っ張って外してしまう。急いで病院に来て欲しい」とのこと。10分後、病室に駆け込むと怒った顔で「帰ってくると言ったのになぜ帰ってこなかった。私に嘘ばかりついている」と睨む。
「なぜ私はここに入れられている?」と問い詰めるので、「一昨日夜、急にお腹が痛くなって救急車で連れてきて入院している。急性膵炎だと分かって入院することになった。直すために絶食してお腹を休め、代わりの栄養と薬と点滴している。とても大切な点滴で、自宅ではできないから入院している」と、矢継ぎ早の質問に答えたが、「私は何処も悪くないし、痛くもない。点滴なんか必要ない。やるかやらないかはわたしの決めることだ」、「みんなでぐるになって私に嘘をついている」、「あなたのようなうそつきは一生恨んでやる。絶対に許せない」とののしる。
入院したいきさつ、入院したときの写真、次女が昨日来たとき一緒に撮った写真、妻がメモ帳に「詮が来て嬉しかった」と書き込んであるのを見せると、「私の字だが憶えていない」と言い、少し穏やかになる。看護師さんがメモを書いてベッドサイドに張ってくれた。「病院に入院加療中であること、食事に代わる栄養と薬を点滴している。とても大切な点滴だから引っ張ったり外したりしないようご協力をお願いします」という趣旨のメモを読んで、やっと「点滴して貰う」と言って、おとなしく点滴の準備をしてもらい、点滴を再開した。入院して環境が変わったり、体調が悪化したときに認知症の人に起きるせん妄だろうと看護師さんが私に小声で説明してくれた。
「あなたみたいなものの顔は見たくない。早く帰って」と言いながらベッドに横になり、掛け布団を目の上まで引っ張り上げる妻。「じゃあ帰るよ、また明日来るからね」と声を掛けると、布団を持ち上げちらりと私を見た。先ほどのような怒り狂った目ではなかった。190901c.jpg

この記事へのコメント

word
2019年09月01日 16:45
ブログを読んでいるみんながあなたと奥様を応援していると思う。
教えてくれてありがとう。
無理しすぎないで。なかなか、できないことを十分している。
何もできないで、みているだけでゴメン。でも、心はブログで繋がっている。