時間軸が壊れてしまったアルツハイマーの妻

撮影ノート『手賀沼有情』 (2019.7.28)

少し小降りになって立ち寄った桃山公園の高台、うっすらと見え始めた対岸の丘。桃山公園の高台は妻が好んで通う散歩道。沼を一望できるベンチに座って、まだ忘れていなかったと確認するように過ぎ去った日々を思い出すらしい。一ヶ月ほど前のことだった。住宅公団の分譲に当選して等々力から横浜に転居したころ、横浜で長女を預かってくれる保育園探しに苦労し、それまで預かって貰っていた尾山台駅近くの保育園にお願いし全額自費負担で預かって貰って大井町の職場に通ったことを思い出していたらしい。帰宅して「ここは何処? 横浜じゃなくて我孫子?」と。「我孫子だよ」と答えると「頭の中は横浜にいて我孫子に帰れない」と言っていた。そんな出来事を思い出しながら、高台から雨の手賀沼を眺め妻の散歩道を歩く。
帰宅したら「水着を何処に仕舞ったか分からなくなった」と妻。5年ほど前に通った、プールの中を歩く訓練に行くつもりでいる。傍らにはデイサービスに出掛けるように支度中だった手提げ袋。火木土週三日通うデイサービスが5年ほど前のプールでの訓練と重なってしまっていたようだ。「今日は日曜日、何処にも行かなくていいよ」と言えばやっと安堵した表情になる。
先週日曜日、長女が来て一緒に買い物に行った。夕方帰宅する長女が見えなくなるまで自宅前で見送ったのに、夕食中に長女はいつ来てくれるだろうかと言う。長女が来たことは既に記憶から消えていた。一緒に買い物に行ったことを話すと、そんな気はするが今日だったか昨日だったか、もっと前だったかは分からないと。妻の記憶の時間軸が壊れてしまったと思う日々。今日も「今日は何曜日? 何日?」と6回も7回も訊ねに来るだろう。190728.jpg

降りしきる雨の音が賑やかでもお兄さんの車の音が聞こえたのかラッキー親子、上流の岸から出て水門の前へ。ラッキー親子の動きを察知して先回りしてきていたオオバン親子。二羽のオオバンの子どもも元気そう。190728a.jpg

激しく降り出した雨にお兄さんは傘の下、寄ってきたバロン夫婦に話し掛けたら尻尾を振って応える二羽。水面を打ち、傘を叩く雨の音に、お兄さんがバロン夫婦に話し掛ける言葉は聞き取れない。190728b.jpg

いつも三羽の子どもを連れてくるのに、バロン夫婦の傍までやってきたのはオオバンの夫婦だけ。バロン夫婦の傍で餌を拾えば、川の中央のヒメガマの群落から川を渡って来た子ども二羽。体が一番小さい子はついに姿を現さない。上空をトビが飛んでも岸に隠れる慎重な子、強い雨だから巣から出てきたくないのかも。190728c.jpg

この記事へのコメント

やましたかよ
2019年07月28日 23:49
やましたかよ
2019年07月28日 23:53
蒸し暑い中、お疲れ様です。今日も鳥たちの配信ありがとう☺️連日、過ごしにくい気候が続きます。お体に気をつけてください。
そら
2019年07月29日 12:10
久々に、バロン夫婦と一緒に写る、お兄さんの写真にホッとしています。

穏やかな日々のなか、奥様との大切な時間が過ごされますよう、願っています。

一週間前にあのような書き込みを・・・、すみませんm(__)m